高度差4000 http://www.k4000.jp

事業報告

地域再生塾「高度差4000」 企業人コース
9日目 11限目(120分)

日時 平成22年3月17日(水)18時00分〜20時00分
場所 場所:CiCビル3F学習室5

地域再生塾「高度差4000」企業人コース9日目が開講。地域再生塾生9名が,高度差4000の地域の自然環境や地域資源を活用した低炭素・循環型の地域づくりのケーススタディとして,CO2の評価システムについてと市民主導による地域再生の実例を学び,高度差4000を守り・育み・活用する地域活性化に資するコミュニティビジネスの可能性を考えた。

1.講義

高度差4000コミュニティビジネス概論2
自然環境・資源を活用した低炭素・循環型の地域づくり
「CO2の評価システム」
「市民主導の取り組み」
講師:室蘭工業大学大学院くらし環境系領域 建築ユニット 講師 市村恒士氏

高度差4000コミュニティビジネス概論3

自然環境・資源を活用した低炭素・循環型の地域づくりには,自然環境や社会環境という地域の特徴をとらえることと,生活と環境の質をバランス良く高めること,担い手を育成することが重要であると講義。生活や環境の質についての評価システム構築の重要性を説き,基本的手法となるCO2の評価システムについて事例を紹介しながら解説した。

CO2の排出量を考える場合にその製品や構造物について,その資源採取から廃棄・再利用までの全過程において排出される二酸化炭素の合計量でみるライフサイクルCO2(LCCO2)でとらえることが必要とし,LCCO2による評価手法について都市公園の改善プランの事例で詳しく解説,具体的な削減目標の決定や削減量を示し,LCCO2評価により利用面と環境面の兼合いとコスト面の検討が可能となることを示した。

都市緑地における樹木を中心とした炭素循環モデルから算出したCO2の吸収固定量と排出量から都市緑地のCO2効果について説明。地域での木質ペレット生産・利用の研究事例から,木質ペレットの利用シナリオ毎のCO2削減効果について紹介。利用者の意識調査からとらえた大規模小売店舗における緑化計画のあり方についての研究を解説,環境配慮型の取り組みは企業にとってCSRだけでなくビジネスチャンスとなり,CO2評価システムは低炭素型商品・サービス開発に向けての指標となり,具体的な炭素削減量等の商品PR効果や市場メカニズムの活用可能であるとした。

市民主導の取り組みの事例として,北海道登別市のふぉれすと鉱山の取り組みを紹介。参加者から提供者へと移行する人材育成システムと環境保全に活かすプログラムや企業タイアップの事例を示し,自然環境・資源を活用した地域づくりや明確なビジョンや定量的な事業評価,企業タイアップの可能性を話した。
 

2.討議

高度差4000コミュニティビジネス概論2

CO2の評価システムや市民主導の取り組みについて質疑や意見交換など各塾生と講師が交わし理解を深めた。ライフサイクルCO2による評価システムやコストバランスについて,木質ペレットや市民活動について等様々な質疑や意見がかわされた。

講師の市村氏は「これからは,イメージ的なエコではなく,数字的な評価を示すことが重要となってくる。」と話し,評価システムのビジネスの可能性を示した。


次回の地域再生塾「高度差4000」企業人コースは
3月24日(水)高度差4000地域再生システム概論2 講師 富山大学 教授 金岡省吾氏