高度差4000 http://www.k4000.jp

事業報告

地域再生塾「高度差4000」 企業人コース
4日目 6限目(120分)

日時 平成22年1月6日18時00分〜20時00分
場所 富山大学五福キャンパス学生支援プラザ 2F

地域再生塾「高度差4000」企業人コース4日目が開講。地域再生塾生10名が、高度差4000が育む生命循環の源である水循環モデル論と、豊富な海産資源を生み出す海洋環境科学論の基礎を学び、富山の地域再生の可能性を討議した。

1.講義 高度差4000環境論

「富山から世界が見える」

〜高低差4000mの水・物質循環 富山の水資源と富山湾 水循環ー地域の力!〜
講師:富山大学大学院理工学部教授 張勁氏

高度差4000環境論 講義イメージ

陸域や海洋における水を取り巻く環境フィールドについて解説。水のDNAともいえる分子同位体等の化学成分の分析により、その水の発生起源が判別できるとした。県内での一冬分の積雪調査結果を示し、冬期における内陸部への化学物質の濃度に違いが生じることや、化学成分毎の起源がどのエリアの影響を受けているか判別でき、地域による水質の違いが分析できると話した。

日本一の落差を持つ富山の水資源の特色として、富山湾海底から湧きだす地下水が豊富な海洋資源に影響をもたらすとし、富山湾の湧水の化学成分調査から標高800〜1200m地域に降水した地下水が10年〜20年かけて湧きだしていることを解明したことを紹介。地下湧水を守るための植樹活動や「樹一本ブリ千本」の言葉を引用して水循環の重要性を話した。また、富山湾内の地形や、環境・ホタルイカやオオクチホヤの生態の紹介とともに、日本海は世界海洋大循環の縮図であり、地形的特徴から富山湾を調べることが、日本海を調べることにつながり、さらには世界を知ることにつながるとし、「すべてのものは水から繋がっている。水で環境の変化を知ることができる。」と話した。

また、地球温暖化や海洋汚染の影響が富山湾で早くでてきている事実から、国を越えて海洋環境を守ることの必要性を唱えた。

2.討議

高度差4000環境論 討論イメージ

水循環や海洋環境に関しての質問や意見交換などを、各塾生と講師が交わし理解を深めた。塾生から富山湾の海底湧水・深層水・名水鑑定についての質問、産業利用の可能性や問題点など、海洋資源の活用や海洋環境科学について活発に意見が交され、富山の地域再生の糸口を見いだした。

次回の地域再生塾「高度差4000」企業人コースは1月13日(水)高度差4000再生 地域づくり概論1