高度差4000 http://www.k4000.jp

事業報告

地域再生塾「高度差4000」 企業人コース
2日目 4限目(120分)

日時 平成21年12月18日18時00分〜20時00分
場所 富山大学五福キャンパス学生支援プラザ 2F

地域再生塾「高度差4000」企業人コース2日目が開講。地域再生塾生が地球をとりまく大気環境の現状と今後について学び、富山県における低炭素・循環型社会構築に向けた地域再生の可能性を検討した。

1.講義 高度差4000環境論

大気循環論 講師:富山大学大学院理工学研究部(理)准教授 青木一真氏

高度差4000環境論講義イメージ

世界平均気温の上昇や海面水位の上昇、北半球の積雪面積の減少など地球温暖化の科学的根拠を示し、地球温暖化の影響や、ハワイのマウナロア山での二酸化炭素濃度の経年変化のデータを示し地球温暖化ガスの科学的影響を地球規模の観点から解説。大気環境を考えるためには気候システムを構成する要素とその過程をとらえることが重要とし、太陽光の反射や雲の凝結核として働く大気中のエアロゾル(浮遊粒子状物質)についてふれ、人為由来のエアロゾルは自然由来のものより粒子が小さく大気中に留まりやすいため気候に影響を及ぼすことなど、大気循環を考える中で、エアロゾルの調査研究の重要性を話した。また、地球の未来を経済・環境・ローカル・グローバルの4つの方向軸で分け、各々のシナリオでの世界平均気温・海面水温などの上昇度を予測した研究を示した。

富山の気候について気温・降水量・日照時間・降雪量のデーターから再確認し、富山と能登半島の珠洲でのエアロゾル観測から富山の大気汚染についての現状として光化学オキシダントの影響や黄砂現象を説明。立山室堂平における積雪断面調査による大気汚染などの大気環境の分析状況を説明し、雪のPHの経年変化の調査では1990年以降急激に酸性化していることを示した。最近では立山の積雪層から分離培養した細菌から生物的な面での調査も行われことなど、大学が取り組む大気環境研究の現状を話した。

2.討議

高度差4000環境論 討論イメージ

自己紹介を交え、地球温暖化の影響や大気環境に関しての疑問や質問など各塾生と講師が積極的に交わし理解を深めた。塾生たちは温暖化と経済活動について、自分たちの企業がどの方向へ向くべきか意見を交し、低炭素循環型社会について考えた。青木教授は「自身ができること、身近な生活からCO2削減のために一人ひとりができることを初めて欲しい。経済活動の兼合いを考え一歩一歩意識的に考えいかなければならない」と話した。

次回の地域再生塾「高度差4000」企業人コースは12月21日(月)