高度差4000 http://www.k4000.jp

事業報告

地域再生塾「高度差4000」魚津モデル行政人コース 5日目

富山大学
地域再生塾「高度差4000」魚津モデル
日時 平成22年3月18日(木)13時00分〜17時00分
場所 魚津市役所2階会議室

地域再生塾「高度差4000」の行政人コース・魚津モデルの5日目が開講。魚津市若手職員の塾生が,,魚津の河川の魚の生態と現状についてと,自然環境や地域資源を活用した低炭素・循環型の地域づくりのケーススタディとして,CO2の評価システムについてと市民主導による地域再生の実例を学び,地域活性化と再生へ向けた可能性を考えた。

5日目9限目
講義

高度差4000コミュニティビジネス概論2
自然環境・資源を活用した低炭素・循環型の地域づくり
「CO2の評価システム」
「市民主導の取り組み」
講師:室蘭工業大学大学院くらし環境系領域 建築ユニット 講師 市村恒士氏

地域再生塾「高度差4000」魚津モデル行政人コース 5日目9限目

自然環境・資源を活用した低炭素・循環型の地域づくりには,自然環境や社会環境という地域の特徴をとらえることと,生活と環境の質をバランス良く高めること,担い手を育成することが重要であると講義。地域づくりにおいて評価システムを構築する重要性を説き,その基本的手法となるCO2の評価システムについて事例を紹介しながら解説した。CO2の排出量を考える場合にその製品や構造物について,その資源採取から廃棄・再利用までの全過程において排出される二酸化炭素の合計量でみるライフサイクルCO2(LCCO2)でとらえることが必要とし,LCCO2による評価手法について都市公園の改善プランの事例で説明,具体的な削減目標の決定や削減量を示し,LCCO2評価により利用面と環境面とコスト面の検討が可能となることを示した。

都市緑地における樹木を中心とした炭素循環モデルから算出したCO2の吸収固定量と排出量から都市緑地のCO2効果について説明。地域での木質ペレット生産・利用の研究事例から,木質ペレットの利用シナリオ毎のCO2削減効果について紹介。利用者の意識調査からとらえた大規模小売店舗における緑化計画のあり方についての研究事例では,環境配慮型の取り組みは行政だけでなく市民にとってもメリットとなることを示した。

CO2評価に基づいた低炭素・循環型の地域づくり・環境モデルの提示を各種の政策や計画づくりの際に取り入れたり、評価に基づいた地域全体を捉えた産業育成等を検討するなどのCO2評価システムの意義を説き,評価システム構築の重要性を話した。

また,市民主導の取り組みの事例として,北海道登別市のふぉれすと鉱山の取り組みを紹介。参加者から提供者へと移行する人材育成システムと環境保全に活かすプログラムの事例を示し,行政主体から市民主導の取り組みに移行したことで地域住民も認める市民視線にたった運営展開により提供サービスが向上し, 自然環境・資源を活用した地域づくりが進められている事例を説明。指定管理者による明確なビジョンや定量的な事業評価の重要性を話し,行政と市民連携の運営方法についての可能性を話した。

9限目討議

講義で提供された話題に関してやの質疑がなされ,理解を深めた。CO2ライフサイクルの評価システムや環境性能評価についてや,事例紹介した「ふぉれすと鉱山」が行政から市民へ移行した経緯などや詳しい運営や取り組みについてなど様々な質疑や意見がかわされ,魚津市での現状と照らした自然環境・資源を活用した低炭素・循環型の地域づくりについて討議された。


次回の魚津モデル講義は 月 日(木)高度差4000地域クラスター形成「事業構想演習1」