高度差4000 http://www.k4000.jp

事業報告

地域再生塾「高度差4000」魚津モデル行政人コース 2日目

富山大学
地域再生塾「高度差4000」魚津モデル
日時 平成22年2月4日(木)13時00分〜17時30分
場所 魚津市役所2階第二会議室

地域再生塾「高度差4000」の行政人コース・魚津モデルの2日目が開講。魚津市若手職員13名の塾生が,富山が育む自然「高度差4000」を守り×育み×活用することでの地域活性化,「低炭素・循環型・生物多様性の社会」構築へ向けての地域づくり実現へ向けて,富山県および魚津市の地理学的な見地からと,世界の潮流や日本の対応,国内の事例などから学び,今後の地域づくりの可能性や政策ヒントを検討した。。

2日目2限目(講義60分 討議60分)
1:講義 

高度差4000再生地域づくり概論1
講師:富山大学大学人文学部 准教授 大西宏治氏

2日目4限目(講義60分 討議60分)

高度差4000mの富山県の地形的特徴を自然地理学と人文地理学の見地から解説。3000mの山地から0mの海面までわずか40Kmと非常に短かい地形で河川が急流であり,富山湾の海底が深く堆積による平野形成ができなかったことや急傾斜・急流河川といった富山県の地形的特徴を解説し,魚津市の地形を地理学的に考証した。また,地域生活ついて河川の流域圏という考え方を紹介。集水域である河川で生活圏はつながっており,上流の状態は下流に影響をもたらすことから広域での流域圏は運命共同体であると話し,魚津市の入っている流域圏である片貝川流域・早月川流域についてとらえ,魚津市上流域の周辺地区とは運命共同体であり,自然地理学的なつながりがあり,これら地域の状態が相互の地域の環境に影響すると話した。
 また,近年の出生率低下による少子社会化や産業構造の変化による向都離村がもたらす流域への影響として,上流域人口の自然減と社会減による山間部の農林業人口の減少で,上流部の農地や里山の荒廃が進ことによる,保水力の低下による水害発生頻度上昇の可能性や水起源産業に影響をもたらす河川の水質変化の可能性など下流部での悪影響を紹介し,下流域に位置する都市部は生活・産業ともに伝統的な農村景観によって守られていると指摘した。21世紀の地域づくりの考えとして,交流人口の持つ意味を考え、県下の限界集落の再生へのグリーンツーリズムなど交流人口の促進、伝統的農村景観も含めた流域全体の景観を使っての地域振興を提案し,「地域を 流域・集水域・結節地域という見方を変えると見える課題も変わってくる」と人文地理学の観点からとらえた地域づくりについての話題を提供した。

2:討議

講義で提供された話題に関しての質疑や感想,意見交換がなされ,塾生相互が理解を深めた。流域圏でとらえる見方や上流での荒廃,少子社会,農林業についてなど魚津市での現状を踏まえた様々な質問や意見交換がされ,塾生らは魚津市をどのようにとらえるべきか,地域のあり方を見方を変えて考える機会を得た。


次回の魚津モデル講義は2月25日(木)高度差4000地域再生システム概論