地域再生塾「高度差4000」企業人コース6日目が開講。地域再生塾生9名が高度差4000の都市における低炭素・循環型社会構築によるビジネスチャンスを,世界の潮流や日本の対応,国内の事例などから学び,今後の地域づくりの可能性やビジネスヒントを検討した。
低炭素・循環型社会構築に向けた世界や日本の施策動向として,グリーン・ニューディールに代表される環境対策を通じて景気回復・雇用創出を図りながら,低炭素・循環型社会の実現を目指す地球温暖化などの環境問題の解決を同時に進める流れにあり,地球レベルの気候変動問題への関心が高まり,脱化石エネルギーなどの低炭素化への対応を重視してきている。
環境産業も従来イメージののリサイクル産業を中心としたもの産業から,低炭素・循環型社会へ向けた社会制度やインフラを更新する環境・エネルギー産業へと産業概念の視野を拡大する世界的な潮流にある。その動きの中でビジネスチャンスを考えるには低炭素・循環型社会の仕組みづくりとそれに対応した社会制度やインフラ等を見据え,それにより創出される需要を捕らえることが必要であるとした。また,国内での実例をあげ,技術開発だけでなく実証実験へと政策方策が変化している現状を紹介し,市場創出には技術開発だけではなくそのものより,実証プロジェクトなどで社会での先駆的利用や普及策を講じ,システム構築する政策展開が必要であり実証プロジェクトを考え出していく重要性を話した。
北陸での低炭素・循環型社会構築への企業行動や事業実施状況の現状を示し, 今後の事業強化に向けた課題をあげ,低炭素・循環型社会構築へ向けた戦略に,先端技術開発と既往技術応用に地域づくりを加えた2つの政策ベクトルを提示した。そして,富山の暮らしを支える高度差4000の全体像を把握して,塾生各人の強みを活かした守り×育み×活用する低炭素・循環型社会構築に対して何をしていけばいいのかを皆で考えていこうと塾生に呼びかけた。
講義内容を踏まえて,高度差4000と地域活性化について各塾生の意見が交され,お互いの理解を深めた。これまでの塾生が地域再生塾で学んだ中で感じた低炭素・循環型社会や生物多様性社会の実現についての考え方や各企業の強みを活かした提案など活発な討議が進められ,今後の富山県の地域づくりとビジネスチャンスの糸口を見いだした。