高度差4000 http://www.k4000.jp

事業報告

地域再生塾「高度差4000」 企業人コース
5日目 7限目(120分)

日時 平成22年1月13日(水)18時00分〜20時00分
場所 富山大学五福キャンパス学生支援プラザ 2F

地域再生塾「高度差4000」企業人コース5日目が開講。地域再生塾生10名が高度差4000mの富山県の自然環境の循環や農林漁業など維持していくためには、どのような地域づくりが必要なのかを、富山県の地理学的な見地から今後の地域再生の方法を検討した。

1.講義 高度差4000地域再生システム論

再生地域づくり概論1
講師:富山大学人文学部 准教授 大西宏治氏

高度差4000地域再生システム論イメージ

富山県の高度差4000m(立山連峰3000m+富山湾1000m)という地形的特徴を地理学の見地から解説。富山県の地形は高い山地と海との距離が短いため、河川が急流となっていること。また富山湾が深いため富山は扇状地の先に平野が発達できない地形的特徴を持っていること、富山平野は扇状地の上に広がっていること。海抜0mから3000m級の山岳連峰を近距離から望める景観は世界的にも珍しいこと等、富山県の地形的特徴を解説した。

続いて、富山県での高度差のある地域生活ついて河川の流域圏という考え方を紹介。集水域である河川で生活圏はつながっており、上流の状態は下流に影響をもたらすことから、広域での流域圏は運命共同体であると話した。近年の産業構造の変化や少子化の影響での山間部の農林業人口の減少により上流部の荒廃が進み、保水力の低下による水害発生頻度上昇の可能性や水起源の産業に影響をもたらす河川の水質変化の可能性等、下流部でのダメージを紹介し、下流域の都市部は伝統的な農村景観によって守られていると指摘した。

21世紀の地域づくりの考えとして、流域の限界集落の再生へのグリーンツーリズムなど交流人口の促進、伝統的農村景観も含めた流域全体の景観を使っての地域振興を図ることが必要で、自治体を越えた結節地域でとらえた施策も重要になると話し、高度差4000を流域・集水域・結節地域と見方を変えると見える課題も変わると、地理学的な分析結果からとらえた21世紀の地域づくりのあり方を講義した。

2.討議

高度差4000地域再生システム論イメージ

講義内容に関しての質問や意見交換など各塾生と講師が交わし理解を深めた。塾生から高度差4000の地形的な質問や限界集落の問題・林業農業などの問題点など活発に意見が交され、富山県の地域づくりの糸口を見いだした。

次回の地域再生塾「高度差4000」企業人コースは1月27日(水)高度差4000再生地域づくり概論2