魚津三太郎塾と 事業レポート

 

魚津三太郎塾 事業レポート

15日目 第17限

魚津三太郎塾第2期15日目 第17限
地域再生システム論
開催日時:平成25年4月25日(木)14:00〜17:00
場所:魚津市役所第5・6会議室

魚津三太郎塾第2期の15日目が開講。今回は地域再生システム論として金融機関の本業支援による地域再生について考え,金融機関による本業支援の取り組みの背景や事例などを学び,今後の事業や事業計画実施へ向けた支援や活用へ結びつけるヒントを得た。

15日目第17限 講義&討論 地域再生システム論C

講義&討論 地域再生システム論C
金融機関の本業支援による地域再生
講師:魚津三太郎塾アドバイザー 桶川淳氏
(前富山大学地域連携推進機構地域連携推進員,富山銀行営業統括部ソリューション・サポート室企画補佐)

「地域金融機関と地域経済は共存共栄の関係である」

15日目第17限

金融の定義から金融機関の分類・種類について説明。金融機関の主業務である預金・融資・為替の役割や機能により地域社会・経済の発展に貢献してきたことを説明した。地域金融機関と地域経済の関係について,営業基盤が本店のある地域経済圏が原則となるため銀行の成長には地域経済が豊かに拡大することが必須であり,衰退は銀行の存続に関わることから地域金融機関と地域経済は共存共栄の関係であると話し,地域再生・活性化の取り組みは不可欠な課題となっていることを説明。地域を取り巻く社会状況・経済状況を背景に地域金融機関が行う企業支援の変化について,バブル崩壊後にはそれまでの決算書等を基にした財務等の事後的指導だけでなく,企業が直面する課題へ積極的な具体的対策を提案する等の事前的事業創造支援に変化し,リレーションバンキング機能が新たな金融サービスとして強化されてきていると説明。地域密着型金融の推進のための金融庁の計画や地方銀行の地域密着型金融の実践へ向けた役割等を解説した。

地域再生への地域金融機関の動きについて,全国の事例を交えて紹介,金融再生プログラムの「リレーションバンキングの機構強化」を契機に,中小・地域金融機関の産学官連携の取り組みを強化し,「産学官金」連携という言葉が登場,共同研究や発掘ばかりでなく,産業創出から地域づくり支援へと領域が拡大してきていることを説明,地域金融機関の地域へのアプローチの変化を解説した。そして,ライフサイクルに応じた取引先企業の支援や地域の情報集積を活用した持続可能な地域経済への貢献,地域活性化につながる多様なサービス提供をしている全国の地域密着型金融の取り組み事例を紹介した。また,金融機関と地域づくりのケーススタディとして桶川氏が富山大学と取材研究した全国の事例を詳しく解説。さらに,富山での地域金融機関の取り組み事例についても紹介し,金融機関が企業と共に真剣に考え,共に動き,支援に取り組み地域再生に力を入れていることを講義した。

質疑

塾生たちから講義について質疑や意見交換がおこなわれた。金融機関の支援についてや補助金申請について,専門家派遣についてなど事業計画に直接関わる内容について討議された。桶川氏は,金融機関との付き合い方として「具体的に意見を交換していくことが重要である」と話し,塾生たちは,今後のプロジェクト立案に関してだけでなく現在の業務でもヒントとなる金融機関の活用について学ぶことができた。

本日の講義開講前に魚津市役所で魚津三太郎塾アドバイザー委嘱状授与式が行われ,新しいアドバイザーとして,富山銀行の桶川淳氏と富山第一銀行の稲垣滋則氏の両名が就任。両名に魚津三太郎塾長である澤赴`敬魚津市長から委嘱状が手渡された。