魚津三太郎塾と 事業レポート

 

魚津三太郎塾 事業レポート

8日目 第11限

コミュニティビジネス育成起業化論@
開催日時:平成25年1月31日(木)13:00〜16:00
場所:魚津市役所第5・6会議室

魚津三太郎塾第2期の8日目が開講。県内で農業と環境を両立させたコミュニティビジネスの事例から,自然環境のビジネス化や自然と共存するビジネス,持続可能なコミュニティビジネスのあり方を学び,自然環境と企業がどのように関わり共存し,環境の価値を生かしたビジネスを構築していくのかのヒントを考えた。

8日目第11限 講義 コミュニティビジネス育成起業化論@

農業と環境の両立
〜自然との共生、小水力発電〜
講師:有限会社土遊野 橋本順子氏

「農業の持続可能な展開は循環型。お金に換算できない価値がある。」

8日目第11限 講義&討論 コミュニティビジネス育成起業化論-1

30年前に東京から移り、農業をはじめ,持続可能な農業のあり方や循環式集落での無農薬・有機農法による農産と自家飼料・平飼いによる畜産,加工品の製造販売や様々な農業体験イベント・人材の研修受け入れといった活動に至るまでの経緯や実情,理念や自然との共生についてを紹介。

東京での暮しで「人の命を支える田畑が見えない」という思いから、農薬空中散布阻止のための草刈り十字軍に参加し富山を訪れたのがきっかけで土集落に移住し,農業経験が無い中で「自立と共存」を信条に農業に取り組みはじめた。土と遊ぶ野原から「土遊野」と名付けた農場での無農薬・有機栽培での水稲・小麦・トウモロコシやそば作りや自家配合飼料で育てる平飼い養鶏の様子を紹介。

家畜が人の手の届かないところまで農作業を手伝ってくれると話し,アイガモ農法による米作りや山羊による草取りなど有畜農業の素晴らしさと循環型農業について説明した。農産物・畜産物の販売や天然酵母パンやシフォンケーキ等加工品の販売についてや峠のそば茶屋でのそば打ち体験や地域の子どもたちの自然体験,地域から給食残飯などを家畜の飼料として回収したりするなど土遊野農場と地域とのネットワーク構築について紹介。また,農場内を流れる用水を利用した小水力発電についても紹介。

戸レベルでエネルギー自立を目指した農家によるエネルギー自立実証実験として文部科学省の補助金を活用して設置した小水力発電についてシステムや特徴などを説明。太陽光発電利用や電気自動車導入など持続可能な環境への取り組みについても話した。「農業は命を育みあい支えあうもの,地域あっての農業。地域の皆さんと支えあうことで地域全体が元気になる。農業の持続可能な展開は循環型農場となりお金に換算できない価値がある。」と話し,コミュニティビジネスでは「実践をセットにして提案しないと動かない」とアドバイスした。 

8日目第11限 講義&討論 コミュニティビジネス育成起業化論@

塾生から講義への質疑・討論がおこなわれ,有機栽培や販売方法や価格についてや研修生の受け入れ,小水力発電など農場への様々な質問があり,有畜複合循環型農業とエネルギーの自立について見識を深め,自然と共存するビジネスについてや環境に対する価値をどのように消費者と共有するのかを討論した。

橋本氏からは「人と人とのつながり・ネットワークづくりが大切。農業は人間の価値観だけではうまくいかないことが理解できる仕事。土から離れた現代では遠いイメージがあるので近くに見えるようにしたい」と話し,自然環境とビジネス化についてのヒントとアドバイスを塾生へ贈った。