魚津三太郎塾修了式は,澤赴將テ市長はじめ魚津市関係者,遠藤学長はじめ富山大学関係者,協力金融機関など魚津市に本支店をもつ地域金融機関と後援機関(魚津商工会議所,中部経済産業局北陸支局,富山県新世紀産業機構,富山県中小企業団体,新川インフォメーションセンター,北陸職業能力開発大学校)の関係者と魚津三太郎塾第2期塾生とアドバイザーなど約90名が参加。
開式では,主催者を代表して塾長の澤赴`敬魚津市長,遠藤俊郎富山大学学長が挨拶。魚津市企画政策課の前田久則氏より,魚津三太郎塾の第2期の取り組みと第1期塾生のその後の動きについてなどの経過報告がおこなわれた後,塾生8人による最終プレゼンテーションとなるポスターセッション,最終講義となる北野芳則氏の特別講義,修了証の授与式と座談会がおこなわれ約9ヶ月に渡り開催された魚津三太郎第2期の全カリキュラムが終了した。
塾長(魚津市長)澤赴`敬氏
富山大学長 遠藤俊郎氏
魚津三太郎塾の軌跡
〜第2期事業の取り組みについて〜
〜第1期・塾生のその後の動きについて〜
魚津市企画政策課 前田久則氏
(富山大学地域連携推進機構 民間等共同研究員)
各塾生が自社の強みを活かした「魚津の水循環を守り・育み×活用によるビジネス手法による地域活性化」をテーマにしたプロジェクトをまとめたポスターを前に8名の塾生が来場者の方々に向けてのプレゼンテーションをおこない9ヶ月間学んだ集大成を発表した。
企業や人が変化する環境の中で成長するには何が必要であるかということを,YKKグループ創業者の吉田忠雄氏の経営哲学,さらにその哲学を継承してともに歩んだ北野氏の企業経営の中から魚津三太郎塾第2期修了塾生に対して熱いメッセージを贈った。魚津市に生まれた吉田忠雄氏の歩みを紹介しながら,YKKグループの『善の循環』チャートでYKKの経営哲学を説明。YKKと従業員,株主,顧客,関連会社,一般社会と関わるすべてに『善』が循環する企業経営について話し,地域のための工場・企業でなければいけないと話した。同社の初期の国内での販売網の構築やYKKブランド浸透の戦略を紹介。海外進出時のエピソードなども交えて,海外という異なる文化環境での経営について説明した。マーケットの要望に合わせ商品開発をする戦略を紹介し,顧客だけでなく(地方や国という)ローカルに合うようにしなければ,受け入れられないと話し,グローバル企業YKKの根底に流れる経営哲学のひとつである地域とともに企業経営をすることの重要性を伝えた。
また,社長直轄のプロジェクトチームによる商品構想設計が有効であったとし,経営者の信念をスピード感を持って具現化できるシステムの必要性や,工場生産でのマスタープラン作成・最終消費者に向けた取り組み等,移り変わる環境の中で企業が成長するためのYKKグループの取り組みを紹介説明した。
YKKの人づくりは「モノづくり」でもあり『人」「モノ」「社会」の関係づくりであり,管理者はチームをどううまく活かすかが重要。トップは常に前向きでなければならないと話し,「経営は止まらない。絶対に止めてはいけない。楽しく明るく前を向き,顧客・消費者の声を具体化して地域とともに進めていくことが大切である。」と魚津三太郎塾第2期修了塾生にエールを贈った。
座談会では「明日の魚津を形成する未来の力」をテーマにパネリストが車座となり進められた。塾生を代表して3名が魚津三太郎塾に参加した感想と今後の抱負を述べ,澤侮s長が市の立場から見た三太郎塾についての講評と展望を語った。
また,第1期塾生を代表し,朝野氏が修了後の活動や現況を話題提供。遠藤学長と北野氏が,大学や企業の立場からの魚津三太郎塾の講評と展望,明日の魚津を担う塾生達へのメッセージを贈った。
「地域づくりは支える人づくりである。地域再生を支える人をつくりだすシステムとして魚津三太郎塾を行っていきたい。富山大学も共に汗をかいて協力していきたい」と魚津三太郎塾・第2期の総括として締めくくり第2期のすべてのプログラムが終了した。