魚津三太郎塾と 事業レポート

 

魚津三太郎塾 事業レポート

4日目 第7限

魚津水循環コミュニティビジネス起業化概論A
開催日時:平成24年11月22日(木)14:00〜17:00
場所:魚津市役所第5・6会議室

魚津三太郎塾第2期の4日目が開講。木材利用の理想循環系をテーマに木材の特性や利活用富山型長期耐用住宅における木材利用について学び,地域資源活用型コミュニティビジネス起業化へのヒントを探った。

4日目第7限 講義 コミュニティビジネス育成起業化概論A

木材利用の理想循環系を目指して
〜木材の成長に同期(シンクロ)するビジネスモデルを考えよう〜
「木材利用の理想循環系」と「長期耐用型(地域型)住宅 その理念と取り組み」
講師:富山大学 芸術文化学部長 教授 秦正徳氏
3日目第6限

「生命共生の鍵は循環系をつくること。その解答の一つが公益的に成長する木材を利用することである。」

木材の好感要因である「木が人に優しい」と言われる理由を,古来の人と自然の関わりや木に対するイメージから解説,木材には直感と理性のバランスがとれた魅力があると話し,木材の組織構造や特性を踏まえ,生産から利用・再利用・廃棄までのサイクルにおいて,「木材は環境にやさしい資源である」ことを解説した。

また,木は炭素を固定し酸素を生成,公益的に成長する。木材は水(H2O)と二酸化炭素(CO2)と太陽エネルギーから形成されるセルロース(C6H12O6)であることから,森林から切り出す木材の中には大量の炭素を固定することでき,生産時も無公害であるばかりでなく,空気の浄化,陸地・環境保全など公益的生産性が高いこと,また,木材は,省エネルギーで,かつ少ない炭素排出により加工・利用が容易に行うことができ,さらに, 古材・古紙等の副循環系,副々循環系での多様な再利用も可能であり,廃棄時も燃料・肥料・飼料といった環境に優しく無公害で公益的におこなえることから,木材利用は理想循環可能な資源であると説明。木材としては樹齢20年程度までは未成熟材で利用できるまでは70〜80年と長いので,木材の使用年度を延ばすことが必要とし長期耐用住宅の重要性を説いた。

富山県内の103年耐用地域型構法の民家の解体作業調査結果から, 富山型・地域型木造住宅の特性や構造の特徴,地元の伝統的大工技術の技や木材利用の知恵と長期耐用のポイントを解説。木材利用の理想循環系に沿ったモノづくりを目指す考え方で「地域の木を使い,地域の建築技術・技能を継承すること」の必要性について講義した。 

4日目第7限 討論 コミュニティビジネス育成起業化概論A

塾生から講義への質疑があり,県産スギの現況や課題,循環の意義や理想循環系の地域での事例等について質疑応答された。これからのモノづくりについて「どれだけ意義のあることをやっているのかを共有していくことが大切。循環サイクルに合わせるようにすることが重要」と話し,「見えないところをイメージするのは勉強である。

循環時間を頭にいれながら魚津の何がすごいのかを考えて,原点に帰り,自信と信念を持って自分のビジネスを進め,自然と環境に優しいビジネスにしてください。」と塾生にエールを贈った。