魚津三太郎塾第2期の10日目が開講。地域課題をビジネスで解決すること実践している島根県仁多郡奥出雲町の有限会社エヌ・イー・ワークス三澤誠社長から講義受け,地域再生と地域貢献を両立し,持続可能なコミュニティビジネスとして成立させた事例を学び,地域課題と企業課題を同時に解決するビジネス手法や理念などから今後の塾生のビジネスモデル構築へのヒントを考えた。
「ひと・もの・こころをつなぐ〜仕事を創るのが仕事です〜」
企業当初の電子部品製造からお菓子の製造販売,Dry Edible Flowerの製造販売,機能性食品の研究開発及び製造販売を行なっている島根県仁多郡奥出雲町の有限会社エヌ・イー・ワークス。地元福祉協議会から電子部品メーカーに就職するが会社が解散,同社の経営を引き継ぐ形で『有限会社エヌ・イー・ワークス』を設立した経緯を紹介。定款では社員が自分でやってみたい事を会社でやれるようにと60程の営業項目を登記したことや「地域のために地域で働く場をつくりたい」という思いを話し,同社が取り上げられたテレビ報道番組の映像を紹介し,意外な商品で企業活路を見いだし,地域に活気を与えている同社の押し花(Dry Edible Flower)事業について現況を伝えた。
そして,企業活動の基となっている同社の経営理念や行動指針について紹介し,やりたいことを経営理念に描き,やりたいことを達成するための行動指針を持つことで人や企業が確かなモノへと動き変わっていくことを説明した。また,「やりたいこと」と「やらなければいけないこと」のバランスについて「やりたいこと」だけでは社会的責任が果たせるか,「やらなければいけないこと」だけで企業が存続できるのか企業人として考えることが重要とし,少しだけ両者をオーバーラップさせる事ができれば自分が人生をかけて取り組む事業になるのではないかと考えて現在の会社経営に取り組んでいると話した。そして,同社のこれまでの事業取り組みについても紹介した。
徳島の葉っぱビジネスで『人から必要とされることや働くということによって人は何歳まででも働き続け,健康で健やかに人生を全うできること」が証明されたことから同社のDry Edible Flower の可能性や事業展開などを紹介した。また,他の人が取り組んでないことをやることでの広告宣伝費なしのマスコミ露出についても触れ,マスコミ取材は営業的な面もあるが,社員研修的な効果もあり,第三者視点のメッセージの方が会社の思いが社員の頭に入っていくようだと話した。
最後に,今を生きる責任として子供や子孫に何を残せるのか・・豊かな田舎を次の世代に引き継ぐことが私たちの責任と話し,また,「田舎だからこそ出来ることがある」とし,経営資源は社内だけでなく,「豊かな地域や恵まれた産品とそこに住む人たちすべてが経営資源である」と話し講演を締めくくった。
塾生から講義への質疑・討論がおこなわれ,電子部品から押し花事業といった異業種への進出に関しての着眼点やマーケティング思考,新しいビジネスの選択法などや押し花事業展開についての質疑が行われたほか,経営理念や社員のモチベーション,コミュニケーションなど企業経営上の質問など活発な質疑と討論がかわされた。
地域の課題解決や地域への貢献をビジネスで解決させている三澤氏から,塾生たちは今後の事業運営やビジネスプランへの考え方や関わり方への活路と大きな刺激ともらい,有益な討議の時間を持った。
魚津三太郎塾アドバイザー委嘱式が13限目の授業終了後に行なわれ,第1期生メンバーなどから選出された5人のアドバイザーひとりひとりに,塾長の澤赴將テ市長から委嘱状が手渡された。
アドバイザーは,今後の塾生の事業立案や塾運営などに助言をおこない魚津三太郎塾のサポートにあたる。委嘱状交付後,澤撫m長から「アドバイザーの立場から経験を通じて助言いただき,自身たちも新しい交流から様々なものを吸収していって欲しい。新しい魚津をつくりあげるためにみなさん頑張ってください。」と激励の弁がおくられた。