高度差4000 モデル事業の報告

高度差4000

富山大学/地域再生塾「高度差4000」モデル事業報告

モデル事業「高度差4000」再生産担い手養成講座2

■2日目 4限目(講義70分 討議20分)
■日時 平成20年11月13日18時30分〜20時
■場所 富山ステーションフロントCiC 3F学習室
シンポジウム

地域再生塾「高度差4000」のモデル事業・再生産担い手養成講座2日目が開講。地域再生塾生8名がダイナミックな生命循環を育む高度差4000を我々子孫へと受け継ぐための環境保全・環境修復技術論の基礎を学び,富山県の地域再生への可能性を検討した。

1講義 とやま高度差4000
環境保全・環境修復技術論 「富山湾の環境保全を目指して」
講師:富山大学理工学研究部(理)教授 中村省吾氏

「環境中の汚染物質が最終的に溜まるのは主に海洋であり,日本海は海峡部の深度が浅く閉鎖的な海域であるため汚染物質が溜まりやすい。海洋中の汚染物質を総合的に検出できるバイオアッセイ・バイオモニタリング,汚染物質を分解,除去するバイオレメディエーションが海洋環境保全で重要になる」と講義。

バイオアッセイ・バイオモニタリングの具体的な方法として,単細胞緑藻ドナリエラの鞭毛再生やウニの初期発生を用いた方法,さらには海洋性二枚貝類(イガイ目)を用いた方法を解説した。また,生物を使った汚染環境の浄化技術であるバイオレメーションについても触れ,「海洋環境の微生物群集のモニタリングが環境保全,海洋生態系の把握に重要で漁業への活用にも有効である」と富山湾の環境保全と環境修復技術論を講義した。

バイオレメディエーションは,重油分解菌による流出重油処理や廃水処理など様々な分野に応用されている。また,バイオモニタリングは,海洋生態系の把握だけでなく環境汚染物質の特定や付着生物の忌避物質の発見などで環境保全・修復への利用が期待できることから,これからの「高度差4000」再生産の重要なキーワードになることを学んだ。

2討議 講義に関しての疑問や質問など各塾生と講師が積極的に交わし理解を深めた。中村教授は「富山湾をみなさんで見守って欲しい,そのための力を貸して欲しい」と話し本日の講義を終えた。

最後に富山大学地域連携推進機構 地域づくり・文化支援部門長 秦正徳氏が「学んだことが少しでも企業で活かされ,高度差4000が共有された富山の誇りになるよう活用してほしい。これからも皆さんの知的好奇心を満足させ楽しんでください」と塾生へ述べ2日目の講義が終了した。

3限目 地域資源活用型 コミュニティビジネス論
講師:富山大学 地域連携推進機構 地域づくり・文化支援部門長 秦正徳氏
日時:11月20日(木)18:30〜20:30(90分)