
タウンミーティング 地域再生塾「高度差4000」胎動 〜モデル事業成果報告会〜
日時 平成21年1月28日(水)13時30分〜17時30分
場所 富山国際会議場2F 会議室201・202
主催/富山大学 事業協力/富山第一銀行・高岡市
後援/富山県・魚津市・富山市・富山県新世紀産業機構・北日本新聞社・富山県商工会議所連合会・富山県商工会連合会・富山県中小企業団体中央会
地域再生塾「高度差4000」のモデル事業として行われた『高度差4000』再生産の担い手養成講座と『高度差4000』地域クラスター形成の担い手養成講座の成果報告会に県内企業・団体,行政関係者約200名が参加。
モデル版地域再生塾の活動報告と修了式,塾生によるポスターセッション,『高度差4000活用による地域再生』をテーマにパネルディスカッションが行われた。
金岡省吾富山大学准教授より地域再生塾「高度差4000」の経緯やコンセプト,モデル事業として平成20年11月から活動した『再生産の担い手養成講座』と『地域クラスター形成の担い手養成講座』の実施状況を報告され,平成21年度からの地域再生塾「高度差4000」の本格稼働に向けて本モデル事業が価値ある成果を上げたことを発表した。
引き続き塾生の修了式と表彰式が行われ、西頭学長より『再生産の担い手養成講座』塾生7名と,『地域クラスター形成の担い手養成講座』塾生25名の代表者に修了証が手渡された。続いて,『地域クラスター形成の担い手養成講座』での発表優秀班の表彰式も行われ,高岡市長賞を受賞した第1班と富山大学長賞を受賞した第3班の代表者に表彰状が贈られた。また,富山第一銀行
横田格常勤顧問より『再生産の担い手養成講座』塾生7名記念品が授与された。
塾生と協力企業・講師・主催の代表による座談会が開かれ,今回のモデル事業を終えての感想や今後の要望・課題など意見が交された。
座談会参加者
塾生代表/有限会社水文 水上剛氏
塾生代表/日本エレクトロニクス株式会社 松山朋朗氏
塾生代表/高岡市役所市民協働課 大野洋靖氏
塾生代表/高岡市役所都市計画課 橘茂徳氏
協力企業代表/富山第一銀行取締役本店営業部長 浅井澄夫氏
講師代表/富山大学芸術文化学部准教授 矢口忠憲氏
主催代表/富山大学長 西頭徳三氏
座長/富山大学地域づくり・文化支援部門長 秦正徳氏
休憩時間を利用したポスターセッションでは,会場内に展示されている塾生が制作したポスターの前で各塾生が『高度差4000』を守り・育み・活用したビジネスモデルや政策のプレゼンテーションをおこない,参加者から質疑やアドバイス,事業について問合せを受けたりと活気あふれる交流がもたれた。
テーマ | 塾生 |
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「森を守り,木の命を活用する」株式会社山秀木材 | 平井カヲル氏 |
「高度差4000のエコツアー」株式会社エコロの森 | 森田由樹子氏 |
「カイニョイズム・住空間のススメ〜となみ野における伝統的民家 (空き家)を中心とした景観保全プロジェクト〜」 |
みずき建築設計事務所 水木功氏 |
「岩瀬・白えびツーリズム」 | 有限会社水文 水上剛氏 |
「常願寺川de高度差4000〜常願寺川の 『守ること・育むこと・活用すること』とは・・・〜」 |
日本エレクトロニクスサービス株式会社 松山朋朗氏 |
「ライトレールで運ぶ高度差4000 ‘公共交通がつなぐ新たな価値の創造と活用’」 |
富山ライトレール株式会社 塚本紘己氏 |
「NPO法人『とやま湾を愛する会』の設立」 | 富山検査株式会社 高見貞徳氏 |
テーマ | 塾生 |
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「水のタイムマシーン」 | 高岡市役所第1班 |
「高度差4000とやま健康プログラム 健康MAXとやMAX〜とやまで楽しむ衣食住〜」 |
高岡市役所第2班 |
「来て,魅て,体験して 『高度差4000御膳』〜ものづくりでつなぐ広域観光〜」 |
高岡市役所第3班 |
「ひとくち富山〜山から海 多彩なメニューをご用意してます。〜」 | 高岡市役所第4班 |
パネルディスカッション
テーマ『高度差4000活用による地域再生』
■パネリスト
元YKK株式会社 代表取締役副会長 北野芳則氏
内閣官房地域活性化統合事務局 企画官 木村俊昭氏
富山大学長 西頭徳三氏
■コーディネーター
富山大学地域づくり・文化支援部門 准教授 金岡省吾氏
テーマ1 高度差4000と地域活性化について〜地域の期待,地域活性化ヘの国の動き〜
北野氏が企業として「高度差4000守り・育て・活用する」と同じ概念を創業時から持ち続けているYKK株式会社の企業理念や『善の巡還』の哲学を紹介。企業だけでなく地域の幸せを考えた地域づくりの重要性を話した。また,地域活性化への国の動きとして全国の地方再生の現状を知る木村氏が地方再生戦略の継続性が保たれないケースが多いことを指摘。
「地域の担い手のモチベーションをあげるプログラムが無く,しっかりとした理念や仕組み作りで地域に必要な産業を育成することが重要」と話した。さらに国が支援する地域再生の4分の1が大学が携わってることに触れ,「地域だけでなく大学が携わることで広域の活性化に繋がるとし地域と大学がどう連携をもつかが重要なポイントとなる」と話し,合わせてメディア連携での戦略性も必要とした。
これらを受けて西頭学長は「地域はその場所で活性化しなければならず,自然科学だけでなく社会科学・医科学を取り入れた内発的発展メカニズムを富山大学から発信したい」と話し,『高度差4000』が地域の活性化につなげられることを確信した。
テーマ2 高度差4000とモノづくり〜地域再生塾「高度差4000」の更なる発展モデル〜北野氏が自然と共存した工場づくりや地下水の利用量削減や排水処理,木を植え森を作り周辺環境との調和を図ることなどYKKの環境への取組みを紹介。「論を作り10年後20年後30年後の姿を見据えて原理原則を作ることが重要」と話した。
木村氏は地域再生にはキャッチフレーズが大切とし,「システムを作りながら全体をマネージメントできる地域毎の特性・風土・歴史文化を踏まえた人材育成が重要である」と話した。また,地域に広げるには難しい表現をよりわかりやすくする事が重要であると指摘した。
西頭学長は世界の標準化も見据えて『高度差4000』は不変的な原理原則を追求する切り口になり,『高度差4000』のフレーズの中には原理原則が含まれている」と話した。
最後に金岡氏が今後も富山大学との連携で『高度差4000』がモノづくり・リーディング企業へ拡大していくことへの期待と,『高度差4000』により産・学・官・金・メディアが一体となる地域活性の先進地となり,地域から誇れる論を生み出したいと話しパネルディスカッションは終了した。