高度差4000 http://www.k4000.jp

事業報告

地域再生塾「高度差4000」企業人コース中級
25日目 28限目(120分) 

日時 平成22年9月29日(水)18時00分〜20時00分
場所 富山大学五福キャンパス学生支援プラザ 2F

地域再生塾「高度差4000」企業人コース25日目が開講。地域づくりの新たな担い手となるNPO組織について学び,これからの地域再生コミュニティビジネス育成や起業のあり方を考えた。

1講義

高度差4000コミュニティビジネス育成起業化論5
「NPO企画論」
講師:富山大学芸術文化学部 教授 伊藤裕夫氏

高度差4000コミュニティビジネス育成起業化論5<br>-「NPO企画論」

「NPOとは何か」

NPOは法的定義では非営利・非配当原則に基づく民間法人であり,市民による草の根型社会活動を行なうボランティ団体や自分たちの信じる価値(ミッション)の実現に取組む民間団体,活動資源を第三者から獲得して活動を再生産する民間団体という3つの捉え方がある。

「NPO台頭の背景」

NPOが台頭してきた背景には,ケインズ型財政政策の行き詰まりやメガステート,社会の高齢化,経済の国際化や環境問題の地球化など社会経済的な根拠と,「社会のために働きたい」というボランティア欲求,市民運動の新しい波,情報社会とネットワーク行動原理ヘの注目などの人間行動的な根拠があった。

「NPO組織論の特性」

NPO組織はミッション(使命)という行動原理が中心であり,ミッションの実現のためにすべての活動をする。多様かつ主観的価値の実現のため,自発性・個人主義的行動で「共感」原理や互助との連携をもつ特性と組織の問題点を解説。ミッションにより把握されるニーズ(現状の不足・欠如課題)のための活動やボランテイアを越えて「価値」実現する労働の場としてのNPOの組織論の特性を説明した。

「NPOのビジネスモデル」

NPOはサービスの必要者である第一の顧客への資源配分マーケティングと活動資源の提供者という第二の顧客への資源獲得マーケティングという2つの顧客へのデュアルマーケティングのを踏まえたビジネスモデルであると解説し,サービス必要者のニーズを把握してサービス供給すると同時に,第2の顧客となりうる市民・企業・政府などへ活動の意義を説明し参加を呼びかけ資源提供をうけるかがNPOのマネジメントの重要なポイントであるとした。

2討議

NPO組織やマネジメント,日本・世界のNPOの実情など各塾生から質疑がおこなわれた。企業がNPOを作りNPOを通じ情報収集するビジネスモデルを紹介しNPOと企業・行政と協力することで高いサービスが提供できる可能性が高いことを話したほか,失業対策や雇用促進のためのNPOなどや NPOマネジメントの問題点・中間支援組織についてなど現状や課題,可能性について討議した。

次回の地域再生塾「高度差4000」企業人コースは10月6日(水)修了式