地域再生塾「高度差4000」企業人コース中級(16日目)が開講。初級課程を終えた塾生は,高度差4000を活かした新規事業構想構築へ向け,県内で取り組まれているプロジェクト例からコミュニティビジネスのヒントや地域再生について考えた。
高度差4000のコンセプトでもある富山の自然を活かした低炭素型社会をキーワードにした地域活性化事業で現在,黒部市宇奈月温泉で進められている「でんき宇奈月プロジェクト」の経緯や概要について紹介。
同事業は,近年の宇奈月温泉の宿泊者数の減少や地域の様々な問題の解決策として小電力発電と電気自動車を組合せた,低炭素社会型の観光まちづくりプロジェクトで平成21年の夏からスタートした。
宇奈月温泉での小電力発電試験に向けての調査やデータ収集。電気自動車の先進地スイス,ツェルマットの視察を紹介。宇奈月温泉と共通する立地環境もあり,1960年代からEV(ElectricVehicle)を利用しているツェルマットでのガソリン車の乗り入れが原則禁止されている状況や村内のEVの運行状況などを写真や動画で詳しく紹介した。
宇奈月温泉で平成22年4月から開始した電気自動車・電気アシスト自転車・電動カートレンタル事業と,事業オープニングセレモニーの様子等を紹介。プロジェクトではアイディアがでるとドンドン導入していくことが重要,と話した。また今後は,地域の特徴に合わせた,地域のための電気自動車が必要になってくると話し,EVは地域利用に特化した車両仕様に開発可能で,地域技術再生の可能性や価格の低廉化など地域要求へ最適化を図れるのがメリットであると講義した。
講義について質疑や意見交換がおこなわれ塾生たちの理解を深めた。ツェルマットの状況,宇奈月温泉での今後の小電力発電について,プロジェクトのグランドデザインについて等,課題や問題点等が話された。
上坂教授は「宇奈月温泉は電気の歴史の町」と話し今後のプロジェクトへの意気込みを話し、アドバイスとして「地域で何かやろうと思うと必ず反対者がいる。その理由を聞き互いに理解を図ることが重要。反対者が存在しないプロジェクトは成功しない。」と話した。
次回の地域再生塾「高度差4000」企業人コースは 6月23日(水)