魚津三太郎塾中級コースの3日目は,の実態を解明していくプロセスを考察し,市場の成り立ちや農産物流通の仕組みから市場参入のアプローチの方策や可能性について討議された。
ケーススタディととして,金岡教授が民間シンクタンク時代に携わった案件でのアプローチ過程を紹介。新たな物流チャネルの構築,市場参入のアプローチ方策,流通市場の実態やSCM(サプライチェーン・マネジメント)について事例から講義した。市場への新規参入には,既存のものより有利であることをデータで証明することの必要性を説き,依頼案件の事例から目的実現の可能性を検討し,条件整理をおこない,仮説設定・検証のためのデータ収集と分析していく過程を説明。統計データや有識者の意見のヒアリングデータ収集の手法や事例をあげ,収集データを分析し数値を見ていくと傾向や可能性が見えてくると話し,可能性から先の分析には,ヒアリング調査による解明が必要となると説いた。
ヒアリングにより農産物流通の近畿市場を解明していった事例から,市場の成り立ちや仕組み,仮説戦略立案から仮説検証の考え方,価値連鎖による市場ニーズに適応させた地域づくりについて説明。文献やインターネットからの情報収集をベースに,ヒアリングにより現状はどうなっているのかを知り,構造を解明して何ができるのかを考え,何の新しいサービス(商品)を提供するのかが大切であると話した。また,農産物の市場参入の可能性を探り,ビジネスチャンスを提案した事例から農産物卸売市場でのビジネスチャンスの獲得には市場調査とSCMがカギであると説明した。
農産物・水産物の流通についての意見交換がおこなわれ,現在の魚津の状況や市場,量販店との関係や課題・可能性について議論された。金岡教授は,各塾生のケース・課題に対して,データを見て、調べ、ヒアリングを行うことで自分で組み立ててみることが大切であるとアドバイスした。