コミュニティビジネス育成起業化概論 Report

2014年01月08日
魚津三太郎塾第3期4日目
魚津水循環コミュニティビジネス起業化概論
開催日時:平成25年1月8日(水)14:00~17:00
場所:魚津市役所第1会議室

魚津三太郎塾第3期の4日目が開講。魚津水循環コミュニティビジネス起業化概論として地域づくりの実践へ向け,地域・企業・住民は何を考えるべきかを各地の事例から探り,地域課題解決をビジネスで取組む今後の事業計画作成への足がかりを掴んだ。

4日目第8限

講義&討論 魚津水循環コミュニティビジネス起業化概論

地域づくりの最前線
 地域づくりと企業行動
~新たな公など地域の取組み~
~地域課題解決をビジネスで~
講師:富山大学地域連携推進機構 教授 金岡省吾氏
魚津水循環コミュニティビジネス起業化概論

現在の地域づくりはCSR(企業の社会的責任)から企業と社会の双方が利益を共有するCSV(共通価値の創造)へシフトしており,社会的課題の解決と事業を両立することが重要と話し,地域課題を解決するコミュニティビジネス(CB), ソーシャルビジネス(SB)ソーシャルイノベーターなどの用語を解説。地域づくりに影響する大きな変化として人口減少と少子高齢化や人口分布の変化,地球環境への関心の高まりをあげ,環境と経済の両立が地域活性化へのキーワードと説明。日本の国策としての地域づくりは、全国総合開発計画に基づく国主導での均衡ある国土発展から新たな地域づくりとして国土形成計画に基づき開発だけでない社会的課題を見据えた地域活性化政策,地域資源を活かした地域産業や農山漁村活性化や新たな公,国土の国民的経営による地域づくりへと変化しているとし,地域課題解決への新たな地域経営をしている全国各地の事例を紹介した。

従来の公領域(行政が担う領域)で民間主体で行う事業事例として市民協働での河川敷清掃事業,公的価値を含む私領域の事例として行政も民間主体でも担ってこなかった分野であった福祉交通事業,公と私との中間領域の事例として民間が担う分野での公共的価値を事業にした空き店舗を託児所化して中心商店街の活性化に繋げた事例などを紹介。また,国土形成計画が掲げる「新たな公」について解説し,内閣府が持続可能な地方再生の取組を抜本的に進めるため、地域住民や団体の発意を受け、地域主体の様々な取組を立ち上がり段階から促進することを目的とした,平成21年度の地方の元気再生事業で提案された各地の事例を紹介した。

また,住民主自らが地域課題解決に取り組む「新たな結」による地域活性化の事例,地域が動かずプロジェクトが頓挫した事例やプロジェクトにおいてのマーケティング調査の重要性について,富山県内でのプロジェクト事例についても紹介。地域課題解決への新たな地域経営には地域が自ら学び・考え・身の丈で動くことが重要とし,新たな担い手となるソーシャルビジネス,コミュニティビジネス,新たな公について説明し,塾生たちの今後のビジネスプラン作成へのヒントとなるキーワードを示した。


質疑応答&ディスカッション

テーマ:地域課題解決への地域経営を考えた地域づくりとは?
論点1:地域が活性化している状態とは?
論点2:地域再生に必要なモノとは?

今回の講義を受け塾生間でディスカッションがおこなわれた。論点に「地域が活性化している状態とはどんな状態か」「地域再生に必要なモノな何か」を各塾生が自身の考えや意見を述べ,塾生間で意見交換や情報共有を図った。

また,自身が考える地域活性化のために自身の企業は何ができるのか等の踏み込んだ議論も行い,地域課題解決のための地域経営を考えた地域づくりと何かを模索しながら,自身のポジションや今後のビジョンを考え,今後の各塾生のビジネスプラン作成への足がかりを掴んだ。