地域再生システム論②

2014年04月22日
魚津三太郎塾第3期11日目
地域再生システム論②
開催日時:平成26年4月22日(火)14:00〜16:30
場所:魚津市役所第1会議室

魚津三太郎塾第3期11日目は,高岡市で地域課題の解決を図り新しい街づくりと活性化に向けたプロジェクトに取り組む高岡まちっこプロジェクトのメンバーから事業企画までの課程や事業内容,手法,課題などをヒアリング。地域課題解決への持続可能な
アグレッシブな取り組み事例から,各塾生の今後の事業企画へ活かせるヒントやアイデアを学んだ。

地域再生システム論②

11日目第15限

講義&討論

地域再生システム論②
高岡まちっこプロジェクト
〜空き家を利用したシェアハウスによる地域活性化〜
講師:たかまち鑑定法人株式会社 代表取締役社長 服部恵子氏
株式会社フジ創ホーム 代表取締役 荒井里江氏
高岡漆器株式会社 プロデューサー 國本耕太郎氏
東京工業大学大学院社会理工学研究科 真野研究室 加納亮介氏

高岡まちっこプロジェクトは、若者を中心としたまちなか居住の推進を目的に多業種の有志が連携した事業であると説明。ライフスタイルの変化や家族構成の変化から高岡市の町中で空き家が増加し,人口減から生活環境やコミュニティが疲弊して社会課題となっているとし,高岡市のまちなか(中心市街地)に存在する空き家の調査から,居住が可能であるにも関わらず市場流通にのっていない空き家が殆どであり,築年数や構造から住宅購入の補助対象にならないことなどの諸事情が市場で流通しない理由であると現状を説明。空き家を放置していくことで生じる地域衰退を懸念して何とかしたいという思いから、空き家活用を考えたことからプロジェクトがスタートしたと話した。また,プロジェクトメンバーの個々の「まちなかに人口を増やしたい」「公共交通を充実させたい」「伝統産業に携わる若者を養成したい」「大学卒業後も高岡に住み続けて欲しい」「ビジネスチャンスを増やしたい」「不動産利用を促進したい」という思いから空き家を再生したシェアハウスのアイデアに繋がったと話した。

プロジェクトで取り組んだ最初の案件となった「シェアハウス&コミュニティカフェ」の誕生までの経緯を紹介。空き家リフォームの様子や富山大学芸術文化学部とのワークショップの様子を説明。学生とのワークショップ意見から高岡のまちなか居住,高岡を良くしたい,交流したいなどの声や思いを活かしシェアハウスへの賛同を得て実行へ移り,アトリエや作品展示ができるカフェギャラリーのあるシェアハウスを造り、居住学生で運用している様子を紹介し,シェアハウスの需要があるという手応えを感じたと話した。また,まちなかを歩き,まちなか体験し,空き家を楽しむ「空き家めぐりツアー」を開催した様子を紹介。

その中から生まれた2件目のプロジェクトとなる「町家ゲストハウスほんまちのいえ」について紹介。高岡市の高岡まちなか空き家再生支援モデル事業補助金交付対象事業として,基礎から壁面,柱の補強工事や水回り改装工事風景について説明,ワークショップを活用したDIYでの工事,富山大学と東京工業大学の学生の協力を得た清掃作業,蚤の市の開催など地域の方とイベント等を経て完成したことを伝えた。次なる案件もあることを紹介し,まちっこプロジェクトの今後の展望を話し「出来ることをやる」「身の丈にあった事をやる」「義務感でなく能動的に楽しむ」を基本的なスタンスに2年,3年と続けて,目に見えるシステムとして積み上げて進んでいきたいと話した。

質疑応答&ディスカッション

テーマ:空き家を活用したシェアハウス
論点1:なぜ取り組んだか?取り組みをどのように進めているのか?
論点2:どのような効果が表れているのか?このプロジェクトにおけるCSVとは?

塾生から講義への質疑・討論がおこなわれ,取り組みへのキッカケやシェアハウスになった理由,本業での収益や企業価値についてなどへの質疑応答がおこなわれ,情報や意見の交換がなされた。メンバーらは「20年後にどうしたいか長い目で都市をとらえることが大切。何事も実践しないと街の声が聞こえない。生まれた声を活かすことで次につながる」と話し地域活性化のためには行動することから始めることの重要性を伝え,魚津活性化を目指す塾生へエールをおくった。