導入講座 Report

2013年12月12日
魚津三太郎塾第3期2日目
導入講座
開催日時:平成25年12月12日(木)13:30~16:50場所:魚津市役所第5・6会議室

魚津三太郎塾第3期の2日目が開講。本塾の概要や目標,カリキュラムイメージについてのオリエンテーションと導入講義として主テーマである「魚津の水循環」と「環境と経済の両立による地域づくりと企業行動」についての概論を学び,塾生各人が今後取り組む個別プロジェクト作成への第1歩が本格的に始動した。


2日目第4限

オリエンテーション

魚津三太郎塾とは ~事業概要と目標~
講師:魚津市企画政策課地域資源推進班 前田久則
導入講座

第3期開講にあたり,魚津三太郎塾が魚津の将来を担う企業人・地域リーダーの育成を目的とし,自ら考え行動する人材の育成を目標としたディスカッション中心のカリキュラムで産官学金が連携した学びの場として位置づけ,塾生一人ひとりが魚津の地域課題と企業の営利活動の共通項を探し出し,実行する地域プロジェクトの創造が目標であることを再確認。主テーマを「魚津の水循環」におく本塾のカリキュラムの概要を説明。

テーマについて「魚津は水循環が1つのまちで完結する地形を持つ世界でも希有な存在でありこの環境を生かすも殺すも自分たち次第である。魚津の自然環境は日本・世界の縮図であり,それを守る取組みは世界の自然を守る方法のモデルにもなりえる。魚津の水循環は単に水の循環だけではないのでその答えを自分で探し見つけてください」と話した。そして,カリキュラムについて講義90分+ディスカッション90分で来春5月まで10回の開催と1月から6月までに催す5回の演習と別途希望者による自主ゼミの開催についてや課外活動,最終プレゼンテーションの場ともなる7月の修了式までのスケジュールを説明した。

また,ディスカッションでのルールも説明。「他者意見を批判せず肯定的に前向きに捉える」「追加・発展は歓迎」「時間厳守」「最初に一言で要点を話しその後は簡潔に質問する」「質問前に社名・名前を述べること」などのルールを守るよう確認した。さらに受講に際しての視点のキーワードとして「環境ビジネス」「社会的課題」「地域的課題」「価値の創造」をあげ説明。何をすれば自分の企業が生き残れるか,自社の強み,自身の特技はなにか,自社のある地域のことを知り,将来の魚津地域をイメージしてどのレベルの企業を目指すかということを常に意識して講義やディスカッションに臨むようにと話した。

引き続き,昨年度に新川インフォメーションセンターが魚津三太郎塾と塾生を取材し制作してケーブルテレビで放送された番組のVTRを視聴。第1期修了生の様子や事業の経過を紹介した映像を通じて,塾生たちは今後の活動のビジョンやイメージをつかんだ。

2日目第5限講義

地域再生システム概論

環境と経済の両立による地域づくりと企業行動
講師:富山大学地域連携推進機構教授 金岡省吾
導入講座

冒頭に金岡教授の自己紹介と魚津三太郎塾の姿勢について説明。企業人によるビジネス手法による地域課題解決する地域プロジェクトを展開させることを目標に,環境を守り・育み・活用することで企業の繁栄を考えることに一緒に取り組んでいく旨を説明し「講義ではキーワードをつかみ,皆さんで考えていってください」とこれからの講義に臨む姿勢を塾生へ伝えた。

環境と経済は両立するのか?これまでの経済活動では自然環境の犠牲のもとに成り立つ部分があった。これからは環境を意識した行動が必要となる。環境を考慮するとコストがかかるがその部分に価値を見いだしビジネスにつなげるヒントになる。地域課題解決をビジネスで取り組む事例として,兵庫県豊岡市のコウノトリの保護と環境を柱にした経済戦略について紹介。コウノトリの野生復帰へ向けた生息環境づくり,共生する環境づくり,コウノトリ農法の取り組みに消費者が反応し農作物の付加価値が上がったこと,観光客等交流人口が増加,環境を良くする活動で地域経済を刺激し環境と経済が共鳴する地域を形成し,経済効果により環境への取組みを持続可能にし,環境を生かして経済的に自立させ,地域に誇りを持たせた豊岡市の環境経済戦略を説明した。

また,環境の捉え方としての持続的な利用可能範囲で人間の手を加えて管理する「保全」と自然環境に手を一切加えず開発行為から守る「保護」の違いについて説明し,企業が考えるべきは「保全」であり生態系サービスを意識した取組みが切り口となるとした。

企業が自社の技術を活用した環境ビジネスとしてバイオマス炭化装置を開発し,森林間伐材を木炭化しそれを利用してメロン栽培した「カーボンオフセットメロン」の事例を紹介。自社技術を環境保全へ活用し,地域活性化を考えることでビジネスチャンスが生まれると話した。

さらに県内での高度差4000を守り・育み・地域ビジネスに活用した事例を紹介。地域課題解決をビジネスで取り組もうとする魚津三太郎塾の可能性について話し,「塾生の皆さんに作ってほしいのは自分の本業で何ができるのかということ。皆さんで連携し取り組んでください」と伝えた。

2日目第6限講義

ディスカッション

水循環を守り・育み×活用による魚津の活性化とは如何に

10名の塾生全員から1人3分間の持ち時間で本日のオリエンテーション・講義を聞いての質問や感想,各自の課題などを発表。各塾生の企業団体が取り巻く環境や課題,個人の目標,魚津三太郎塾で取り組みたいことなどを順次発表し,これからの講義や演習に臨むためのディスカッションと意見交換がおこなわれ塾生間の相互理解を図った。