たかおか共創ビジネス研究所  概要 目標と計画

高岡市富山大学

5・6限 講義 概論・新たな地域づくり

2014年03月07日
たかおか共創ビジネス研究所
3日目第5・6限講義&討議
基礎講義 地域再生論
日時:平成26年3月7日(金)15:30~19:00
会場:富山大学高岡キャンパスC棟473演習室

たかおか共創ビジネス研究所の3日目は,高岡の地域活性化プロジェクト創出への基礎講義として地域再生論の講義がおこなわれ,活性化に成功した商店街の事例や地域協働型のまちづくりによる市民交流施設の事例を検証。中心商店街の疲弊と再開発という地域課題を抱える高岡の活性化へのヒントと可能性を探った。

5・5限 基礎講義 地域再生論

第5・6限

講義 地域再生論

地域を取り巻く環境 最近の気になるまちづくり ~商店街・協働型まちづくり・・・~
講師:富山大学地域連携推進機構 
   教授 金岡省吾

前回の講義への意見を踏まえた対応やたかおか共創ビジネス研究所のコンセプトや狙いとカリキュラム予定を説明。「産官学金が早い段階から情報共有」「本業と地域の双方活性化するCSVの実現」「新サービスや経営の新たな切り口の開発」がコンセプトであり,人口減少時代のまちづくりをビジネスで解決し,ソーシャルイノベーションで高岡を活性化することが狙いと説明。今後のカリキュラムの流れを示して本プロジェクトの方向性や目標なども説明した。

今回の講義では中心市街地の活性化とは何かを考え,全国の中心市街地や商店街が抱える共通の課題と国の中心市街地活性化政策の経緯を解説。中心市街地の活性化は商店街の活性化でもあり,地域づくり・地域活性化へとつながると説明。最近気になる商店街として活性化に成功した商店街の取り組み事例を紹介。自ら考え自ら動く身の丈イベントと商店街応援団の結成による取り組みで来街者増加と商店主の意識変化をもたらした常陸太田市の鯨ケ丘商店街の事例,商品開発・一店逸品へ自ら考え・身の丈で動いた足利市通2丁目東商業会の事例,人づくりに力をいれた佐賀市錦通り商店街の事例,アンケートデータを活用して消費者ニーズを共有化し,需要ニーズから月2回生鮮市開催や総菜店の開業により来街者を回復させ,また後継者養成や勉強会などの人づくりにも積極的に取り組む佐久市東村田本町商店街振興組合の事例を紹介。元気な商店街では,自ら考え・動き,身の丈イベントを展開しており,来客者を見据えてのもてなしの意識を持ち,地域ネットワークを活用し,活性化の仕組みを形成しているとし,大型イベントや行政依存ではなく来客ニーズを重視して自ら発案して行動する人づくりが大切とした。また,従来の商店街のイメージを打破した新しいコンセプトで商店街に新たな機能を持たせ活性化させているとし,小さな行動を契機に行動が連鎖していき全体へと拡がっていると説いた。

質疑応答&討議

テーマ:商店街の活性化にどう関われる?
論点1:なぜ疲弊?活性化の切り口は?
論点2:地域が活性化する状態とは?CSVとは?

講義への質疑応答とディスカッションがおこなわれた。講義で紹介された商店街事例での比較や詳細について,集客方法についてや助成金についての質疑や高岡の中心商店街の状況での課題や抱える問題点などについて意見を交換した。高岡市の中心市街地にある子育て支援施設の利用状況の話題を受けて,金岡教授より流山市のシティセールスの事例,塩尻市の子育て支援と図書館を合築した市民交流施設整備と協働型まちづくりの事例を紹介。市民協働で地域ニーズを優先させることで新たな活用で地域に役立つ施設を整備したことにより,まちづくりと人が集まることになり,総菜や生鮮品などの需要,教育需要など小さい子供の母親や学生などの利用者を対象とした経済需要とともに周辺の変化をもたらしていると話した。高岡市の中心市街地や商店街の地域課題の解決へつながるヒントや可能性について研究員間での共有が図られた。