講義のねらい
最近の経営学1)2)では,地域課題解決に向けた企業行動は、企業自身が抱える様々な問題解決に繋がると捉え,なかでも,企業と社会の双方にメリットを提供する競争優位の源泉である戦略的CSR,および企業による地域課題解決は地域経済の繁栄を後押しするものであり,CSRの考え方を発展させ,「経済的価値と「社会的価値を同時に実現するCSV(共通価値)の実践を提唱しています。
共通価値の実践は企業成長の推進力となる新たな資本主義の誕生をも予見し,企業は社会といかに関わり,どのように貢献すべきかを再考し,企業と社会との新たな関係を追求すべきであると指摘している。そのためには,マーケットと自社技術等の経営資源を見直した上で,企業が立地する地域にて共通価値の実践に向けた「産業クラスター」を形成すべきであると提言されています。
そこで,「Think And Do Tank”とやま” 高岡サテライトは,地域政策の歴史や地域づくりの具体事例より地域が抱えている課題を学び,今後の地域づくりの「あり方」「方法論」「可能性を理解し,自らが考え,自ら行動するための企画能力,実践力,さらには多様な人の調和を生み出すマネジメント能力を養成し,地域課題の解決に資するビジネスで地域活性化を実現するプロジェクト立案に挑み,産学官金とともに共通価値を創出するための講義です。
1) | マイケルE・ポーター,マークR・クラマー(2006):競争優位のCSR戦略:ダイヤモンドビジネスレビュー33(1),34-5 |
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2) | マイケルE・ポーター,マークR・クラマー(2011):共通価値の戦略:ダイヤモンドビジネスレビュー36(6),8-3 |