たかおか共創ビジネス研究所 第2期 事業リポート

たかおか共創ビジネス研究所 修了式

2015年10月13日
開催日時:平成27年10月13日(火)14:00〜17:00
場所:高岡市役所8階802会議室

たかおか共創ビジネス研究所第2期修了式は,髙橋高岡市長,遠藤富山大学長,高岡市関係者,富山大学関係者,協力金融機関(高岡信用金庫,富山銀行,富山第一銀行,北陸銀行)と後援機関(高岡商工会議所,中部経済産業局,富山県新世紀産業機構)の関係者,オブザーバー、報道関係者など約50名が参加し,研究生9人に2015年10月13日よる最終プレゼンテーションとポスターセッション,修了証の授与式と座談会がおこなわれ約8ヶ月に渡り開催されたたかおか共創ビジネス研究所の全カリキュラムが終了した。

主催者挨拶

修了式開会にあたり主催者を代表して,たかおか共創ビジネス研究所所長の髙橋正樹高岡市長と遠藤俊郎富山大学長が挨拶。髙橋市長は「本研究所がそれぞれのビジネスプランのブラッシュアップの場となりプロジェクト実現への可能性を高めることになり,それぞれが勉強する良い機会となった。

高岡からやりがいのある,魅力的な新しい起業・創業がでることを期待している」と挨拶。遠藤学長は「開講式から修了式まで8ヶ月の短い期間であったが,新しいことを考えて苦労しながら作り上げ実現することが見えてきたところだと思うが,これからどう発展させるかが重要であり,今後も継続的に取り組んでいって欲しい。高岡には文化があり,その文化を大切に守りどのように発展させるかが重要です。皆さんに期待し,成果の発表を楽しみにしている」と挨拶。

経過報告

たかおか共創ビジネス研究所のあゆみ 〜事業概要と修了までの経緯〜

高岡市経営企画部都市経営課 主幹 長久洋樹氏

たかおか共創ビジネス研究所設立から第1期修了までの経緯と第2期研究所開講から修了までの講義・演習内容の概要について説明。地域を取り巻く環境の変化や地域政策の変化,地域づくりの新たなアプローチとして高岡市が掲げている『共創のまちづくり』構想などの背景から,高岡市と富山大学で2年の準備期間を経て,企業・金融・行政・大学が早い段階から地域課題を共有し,地域と社会が関わり地域課題をビジネスで解決していくことを目標に「たかおか共創ビジネス研究所」を設立した経緯を説明。昨年度の第1期研究所の成果と概要について紹介した上で,今年2月からスタートした第2期研究所の開講式から修了式に至るまでの講義・演習概要を紹介。 12日間にわたり行われた講義内容や演習課題,訪問ヒアリングの様子など示し,研究生各人が高岡の地域課題と企業の営利活動の共通項を探し出し,プロジェクトを立案し本日の最終プレゼンテーションに至った旨を伝えた。また「高岡市まち・ひと・しごと創生総合戦略」を振り返り,総合戦略における4つの基本目標「魅力的なしごとに挑戦できる町をつくる」「多様なひとが住みたいと感じるまちをつくる」「安心して子どもを産み育てられるまちをつくる」「快適に暮らせ,創造的に活動できるまちをつくる」に沿った研究生のプロジェクトであると紹介した。

プロジェクト概要報告

研究生によるプレゼンテーション

2015年10月13日

研究生が構想した事業プロジェクトについて1人4分間の時間内で事業内容の要点,概要などを発表,ポスターセッションへ続くプレゼンテーションが行われた。

  1. ■たかおか共創データ塾
    蓑泰志氏 ゲキテック(株)
  2. ■TAKAOKA BASE(タカオカベース)
    大菅洋介氏 スタジオオオスガ
  3. ■STARTUP SUNDAY(スタートアップサンデー)
    東海裕慎氏 はんぶんこ
  4. ■コンパクトシティーの街づくりと地域の空き家を有効活用
    武佐和夫氏 (有)武佐興産
  5. ■お気軽相談たかおか相続相談所「相続を争族ではなく想族に」
    高野裕史氏 (有)高野不動産商事
  6. ■高齢者世帯向け 家具を中心とした家財かたづけサービス
    富増孝氏 クラシモ神島(株)
  7. ■新しい福祉用具店のカタチ
       〜高齢化が進み商店街の少ない高岡市伏木地区で福祉用具店が新しい役割を果たす〜
    塚田高史氏 丸新商事(株)
  8. ■コミュニティの創造で暮らしをより豊かに「Bright輝く」ものに
    南林佐代子氏 ブライトオン
  9. ■結婚の学校 アイリュコミュニティ
    飯野道子氏 (株)Ayllu

ポスターセッション

2015年10月13日

各研究生が,本研究所で学び考え構想した事業プロジェクト内容をまとめ作り上げた最終形となるポスターの前に立ち,参加者へ向け説明や質疑応答するポスターセッションがおこなわれた。9名の研究生は,先のプレゼンテーションで説明しきれなかった事業計画内容の詳細説明とともに,聴取者からの質問や疑問に個別に答え,各事業プランに対しての反応や手応えを感じていた。

修了証授与

2015年10月13日

たかおか共創ビジネス研究所所長の髙橋正樹高岡市長から研究生9名ひとりひとりに修了証が読み上げられ授与された。

座談会

2015年10月13日

テーマ
「明日の高岡を形成する企業の力」

パネリスト:
 髙橋正樹氏(高岡市長) 遠藤俊郎氏(富山大学長) 鈴木基史氏(富山大学理事) 研究生
コーディネーター:
 金岡省吾氏(富山大学)

第2期の講評・・・研究生の声

プロジェクト立案に取り組んだ感想
高野研究生
「研究所に参加できたことに感謝している。一旦断念していたプロジェクトに再度チャレンジできたのはこの研究所での学びが後押しとなった。9名の横のつながりができたことは自分にとって財産となった。1期生とも縦のつながりがもてるコミュニティができると良いと思う」
東海研究生
「半年以上の期間の勉強で一番大きかったのは高岡の地域課題がしっかり見えたこと,直接担当者から生に聴けたのは良かった。全国の最新事例の紹介などを通し,自分がやってきたことに自信が持てた。研究所で様々な機会をいただいたことに感謝する」
飯野研究生
「自分が創りたい世界へのプロセスが見えた。結婚は様々な問題も関係したこと。県外の事例から多くの知恵をいただいた。仲間や先生と出会えたことが大きく,走り出すことができたのは研究所のおかげ。ここからがスタートで歩みを止めないように頑張りたい」

高岡市の地域課題とその解決のあり方

たかおか共創ビジネス研究所 所長 髙橋正樹氏(高岡市長)

「素敵な提案を頂き心強く思った。地域課題をベースに行政では手に負えない部分にも取組んでもらい,行政はどうするべきかを考えていかなければならない。気になる点として様々なことへのコストは誰が負担すべきかという問題がある。何処まで行政が関わるか難しいが,ビジネスモデルで誰がコスト負担するかを精査し,ビジネスモデル築き上げて欲しい。現在は,グローバルとローカルを切り分けるトレンドになっている。地域は人との関係で成り立つ部分が多く・人とのつながりが大切であり,人と関係するサービスはローカルでは重要。文化は人が創っている。人と人との営みを,データベースをもとに人の動きとして捉える工夫をしていかなければならない。文化の力を高めるには場が大切。この研究所も同じだが,ディスカッションすることでブラッシュアップしレベルが上がってくる。クリエィティブに客観性も上がっていくコミュニケーションスキルを大切にしたい。最近注目しているのは不便さがビジネスを生み出すことにつながる点だ。人に提供してもらうサービスが贅沢なコトという価値が理解されるようになった。場の利用・時の利用、高岡の場合では歴史文化ある時間等の利用などが一つの価値となり提案できるのではないか。資金面やノウハウ,許認可などで取組に協力していきたい」

合併10周年 挑戦力をもって新領域を創出する富山大学

たかおか共創ビジネス研究所 所長 遠藤俊郎氏(富山大学長)

「皆さんに大いに期待したい。次を創るのは皆さんの世代,女性の力が特に必要である。女性は人と人とのコミュニケーションを大事にし,人を大切にする感覚がある。物事には2面性がある。神岡で出会った若い研究者は最適の研究装置・環境を創るといった先の見えない地道な作業から取り組んでいる。自らは結果を見ることができない可能性のあった研究へと熱心に取り組む姿を,次世代へと繋ぎ続けることが大切だと痛感した。経済も大切だが真に大切なのは人を育てることである。若者をどう育てるのか,人とどう付き合うかということが大切である。なかでも,小学校就学前の幼児教育をどうするか,どう育てるかが課題である」

地(知)の拠点大学による地方創生推進事業(COC+)

富山大学理事 鈴木基史氏

「COCはセンターオブコミュニティの略、昨年までのCOCは地域を理解することが主眼であったが, COC+はさらなる深化を求め,大学は自治体・企業と協働し,若者を地域に定着させ,人口減少に歯止めをかけることを目標に据えた事業である。地域には多種多様な課題が存在するが,地元定着を図るためには地域に魅力が必要であり,大学は魅力づくり,産業づくりに携わらねばならない。そのためには,住民が安心して安全に暮らせるための理想的な地域ライフプランを提示しつつ,どのように実現するのか,実現のために何が不足しているのかを,自治体・企業がともに考えるお手伝いを大学が行うことで,地域の魅力を磨き上げ,地方創生の新しい仕組みを創りあげたい」

総括

2015年10月13日

研究生へのエール・期待,第3期への期待

協力機関の北陸銀行,高岡信用金庫,富山第一銀行,富山銀行の参加者から研究生へのエールや感想が述べられた。総括として髙橋市長が「課題に対してビジネスとして取り組んでいただくために,市としてどんなツール・枠組みがあるかを予め示せるようにしたい。この研究所がチームとして取り組むことができるネットワークをつくりたい」遠藤学長「この研究所のようなチームは重要。行政を動かして実現できるものは実現させていって欲しい」と総括した。

閉会