たかおか共創ビジネス研究所 第2期 研究所の概要

たかおか共創ビジネス研究所の概要

たかおか共創ビジネス研究所のねらい ~Think And Do Tank”とやま” 高岡サテライト~

地域企業,金融機関,行政,大学が早い段階から,地域課題を共有し,地域の課題解決に資する地域活性化プロジェクトの立案を行うThink tank機能とともに,地域企業が立案したプロジェクトを自ら行動するDo Tank機能を協働して育み,高岡の地域再生の核となる頭脳・行動集団=Think And Do Tankを形成し,高岡発の地域イノベーションを創出を目指します。

運営体制

  • 地域産学官金から大学への職員派遣民間等共同研究員,地域連携推進員の受け入れ,およびそれに準ずる円滑なコミュニケーションが可能な体制づくりにより,地域と大学がともに汗をかく事務局運営
  • 各金融機関は「研究生派遣」「研究生提案プロジェクトのブラッシュアップ支援」「事業実施への資金支援」など,地域金融機関の地域密着≒ソリューション機能との連携強化により,“地域経済の循環”の実践を目指す。
  • 産業支援機関・国出先機関・メディアなどは,後援機関として”ウォッチ”→支援への機運醸成を図る。

カリキュラム

地域課題解決をビジネス手法により展開するコミュニティビジネスを立案・稼働する社会起業家を育成するために,以下の「講義ねらい」「達成目標」「修了要件」「講義計画」を設定する。

[講義のねらい]

最近の経営学1)2) では,地域課題解決に向けた企業行動は,企業自身が抱える様々な問題解決に繋がると捉えられている。なかでも,企業と社会の双方にメリットを提供する競争優位の源泉である戦略的CSR,および企業による地域課題解決は地域経済の繁栄を後押しするものであり,CSRの考え方を発展させ,「経済的価値」と「社会的価値」を同時に実現するCSV(共通価値の創造)の実践を提唱している。

共通価値の実践は,企業成長の推進力となる新たな資本主義の誕生をも予見し,企業は社会といかに関わりどのように貢献すべきかを再考し,企業と社会との新たな関係を追求すべきであると指摘している。そのためには,自社技術等の経営資源とマーケットを見直した上で,価値連鎖Value・Chainの再構築による地域課題を解決するサービス開発と提供とともに,企業が立地する地域にて共通価値の実践に向けた“産業クラスター”を形成すべきであると提言されている。

そこで,「たかおか共創ビジネス研究所Think And Do Tank”とやま” 高岡サテライト は,地域政策の歴史や地域づくりの具体事例より,地域が抱えている課題を学び,今後の地域づくりの「あり方」「方法論」「可能性」を理解し,自らが考え,自ら行動するための企画能力,実践力,さらには多様な人の調和を生み出すマネジメント能力を養成し,地域課題の解決に資するビジネスで地域活性化を実現するプロジェクト立案に挑み,産学官金とともに共通価値を創出するための講義です。

1.マイケルE・ポーター,マークR・クラマー(2006):競争優位のCSR戦略:ダイヤモンドビジネスレビュー33(1),34-5
2.マイケルE・ポーター,マークR・クラマー(2011):共通価値の戦略:ダイヤモンドビジネスレビュー36(6),8-3

[達成目標]

人口減少,少子高齢化,地球環境への配慮など,我が国の地域を取り巻く環境変化は,既往の地域活性化の考え方からの脱却をせまり,地域企業の繁栄をもたらしうるCSVといった言葉が脚光を浴びています。なぜ,地域活性化の考え方に変化が求められ,これからの地域づくりにはどのような戦略が求められ,企業は社会といかに関係構築すべきなのかを理解し,CSV経営を実践するための経営コンセプト,戦略・戦術を身につけることが「たかおか共創ビジネス研究所Think And Do Tank”とやま” 高岡サテライト の達成目標です

  • 企業人の達成目標は,ケーススタディを通し,戦略的CSRやCSV経営といった新たな地域づくりを理解し,地域課題にビジネスチャンスを見いだし,経営戦略として新たなビジネスコンセプト,戦略・戦術を立案し,実践に向けて動き出しはじめること。
  • 行政人,金融機関・・・の達成目標は,当事業への参画を通じて,戦略的CSRやCSV経営といった新たな地域づくりとしての,民間の課題解決力を活かした「新たな公」「コミュニティビジネス」を理解し,産業クラスター≒地域システム形成に向けて動き出しはじめること。

[修了要件]

  • 人口減少,少子高齢化,地球環境への配慮など,我が国の地域を取り巻く環境変化,および高岡の地域課題を明確に把握し,自らの言葉で語ることができる。
  • 上記の解決手法として,自社と地域社会とのかかわり方,地域資源を活かしたコミュニティビジネス展開のあり方,可能性,ビジネスプランを自らの言葉で語ることができる。

[講義計画]

  • 月2回程度・隔週月曜日/午後,時間帯は一部業務時間内各3時間程度,場所は基本的に高岡市役所+富山大学 基礎講義地域活性化論,地域課題解決型事業立案演習,自主ゼミの3段階+市長・学長公聴会で実践性を確保