魚津市 富山大学

魚津三太郎塾  事業レポート

 

ケーススタディ 〜魚津印刷の事例〜

2015年06月26日
8日目第12限 
ケーススタディ 〜魚津印刷の事例〜
講師:魚津印刷株式会社 森内将史氏

魚津三太郎塾第4期の8日目が開講。魚津三太郎塾第1期生の魚津印刷・森内将史氏から塾生時代の取り組みと事業展開について話題提供を受け,各塾生が各々どの様に行動し対応するかを思考するケーススタディがおこなわれた。

ケーススタディ 〜魚津印刷の事例〜

魚津三太郎塾第1期生時代に企画立案し実行した「にいかわの守紙」事業について話しを聞き,各塾生が自分ならどうするかを考えながら意見を交換する形でのケーススタディが行われた。

冒頭,森内氏から魚津三太郎塾入塾時の志望動機や印刷業界の状況,魚津の印刷業の現状,同社の状況や業界を取り巻く背景などについて説明。印刷業で自社の強みとして魚津のモノを持って勝負できるものは何かを考えた話しや企業課題と地域課題を本業で解決する手段を模索していた状況を説明。塾生がこの状況ならどの様に考え行動するかを各自発表した。

森内氏は同塾での講義や塾生との交流を通じ,魚津の間伐材で印刷用紙を製造することを考えたことを説明。同様に各塾生ならどうするかの意見を交換。その後の製紙メーカーへの直接交渉やその間のやり取りなどを紹介,何度も断られた話を受け,障害に直面した状況でどうするのかを各塾生に質問。塾生からは「他の手を考える」「大手工場でなく小規模工場にあたる」「理由を考えてから再アプローチする」「原点に戻って違う窓口から攻める」などの意見がだされた。森内氏は様々な人に相談し,なぜ無理なのかを調べ,再度アプローチし現状を打開,前進したことを話し,「にいかわの守紙」が誕生したことで同社の営業の武器になったことを紹介した。

「にいかわの守紙」は、製紙会社が入荷した魚津の間伐材の量に応じて、製造した紙に間伐材が配合されているとみなすクレジット方式で流通量を増やす試みで,魚津印刷と新川森林組合,中越パルプ工業が協定を結んで取り組み,その紙を魚津印刷が買い取る形で,従来の紙流通経路を維持するシステムを構築していることなどを説明した。

最後に塾生から今回のケーススタディでの感想が発表され,各塾生の心に響いた行動や言葉,今後の自分はどうするかなどの意見が交換された。金岡教授からは,クラスター形成の大切さ,ヒアリングの重要性などについてのアドバイスがあった。