魚津市 富山大学

魚津三太郎塾  事業レポート

魚津三太郎塾第4期 導入講座

2015年02月27日
魚津三太郎塾第4期 導入講座
開催日時:平成27年2月27日(金)14:00〜17:00
場所:魚津市役所第1会議室

魚津三太郎塾第4期の開講式に先立っての導入講座として、本塾の概要や目標、カリキュラムイメージについてのオリエンテーションが行われ、導入講義として「環境と経済の両立による地域づくりと企業行動」についての概論を学んだ。

魚津三太郎塾第4期 導入講座

1日目第1限

オリエンテーション

魚津三太郎塾とは〜事業概要と目標〜
講師:魚津市企画政策課地域資源推進班 前田久則氏

冒頭に、一昨年に新川インフォメーションセンターが制作して地元ケーブルテレビで放送された番組のVTRを視聴。第2期開講前に第1期修了生を取材し、塾生の終了後の様子や事業経過の紹介と魚津三太郎塾の概要を報じた番組の映像を通じて、塾生たちは今後の活動のビジョンやイメージをつかんだ。

第4期開講にあたり、魚津三太郎塾が魚津の将来を担う企業人・地域リーダーの育成を目的とし、自ら考え行動する人材の育成を目標としたディスカッション中心のカリキュラムで産官学金が連携した学びの場として位置づけ、塾生一人ひとりが魚津の地域課題と企業の営利活動の共通項を探し出し、実行する地域プロジェクトの創造が目標であることを説明。主テーマを「魚津の水循環」とした講義・演習・発表までのカリキュラムの流れを説明した。また、塾内でのディスカッションルールとして「時間厳守」「質問前に社名・名前を述べること」「最初に一言で要点を話しその後は簡潔に質問する」「他者意見を批判せず肯定的に前向きに捉える」「追加・発展は歓迎」を守り議論することが告げられた。主テーマである「魚津の水循環」について魚津の立地環境・地形を説明し、魚津三大奇観である「蜃気楼」「魚津埋没林」「ホタルイカ群雄海面」はいずれも水に関わるモノであり魚津の水環境の恩恵であると紹介、魚津は「日本・世界の縮図」であり魚津の自然環境を守る取組は世界の自然を守る方法のモデルになりえると話した。カリキュラムのイメージとして前年3期の講義内容を紹介し開講式から修了式までの流れを示し、受講に際しての視点のキーワードとして、「環境ビジネス」「社会的課題」「地域的課題」「価値の創造」の4つについて説明した。

さらに、これまでの修了生の動きや活躍ぶりを新聞記事などを交え紹介した。最後に4期生塾生に対して、何をすれば自分の企業が生き残れるか、自社の強み、自身の特技はなにか、自社のある地域のことを知り、将来の魚津地域をイメージしてどのレベルの企業を目指すかということを常に意識して講義やディスカッションに臨むようにと話した。

塾生自己紹介

本日参加した4名の塾生が、名前や社名・事業内容、本塾への参加動機などの自己紹介をおこなった。

山本大年氏(一般財団法人 魚津市施設管理公社)
 芦崎里香氏(有限会社ミールサービス)
 若林健嗣氏(日本海電業株式会社)
 松原祥子氏(有限会社源七)

1日目第2限講義

 

地域再生システム概論

環境と経済の両立による地域づくりと企業行動
講師:富山大学地域連携推進機構教授 金岡省吾氏

冒頭に地域に触れるとビジネスは動くと話し、金岡教授の自己紹介を兼ね、教授が民間時代に関わった案件事業事例を、塾生への質疑を交えながら紹介。地域の活性化・地域づくりは地域課題の解決が不可欠で、大学の各学部でも、今何が起こっていて、地域の課題が何か、どうやったら地域が活性化するのかを研究、注目していると話した。

地域にはどんな課題があるのかをこれからの講義を通して考え、地域の活性化とは何かをみんなで考え、環境を守りながら消費をつくる環境と経済の両立を考えた地域のプロジェクトを作っていくと、これからの講義の進め方や考え方を示した。塾の目的であるビジネスプラン・地域プロジェクトプラン創造のイメージを伝えるために塾修了生の事業事例や県内外企業・自治体等の様々な事例を示し、地域課題を解決しながら自社の強みをいかしたビジネスプランについて考察した。

経営学者のマイケル・E・ポーターが提唱する共通価値の創造(CSV)について触れ、従来型の受け身であったCSRから戦略的CSRへと変化し、共有価値の戦略という新たな資本主義が登場したと説明。みんなで地域課題を一緒に考え、企業と社会の共有価値をビジネスにするという地域課題や社会課題解決が新しいビジネスを生み出すと話した。また、大学による地域活性化の事例として東北大学地域イノベーション研究センターの人材育成塾について紹介し、早い時期から取り組んでいる最先端のプロジェクトであることを説明した。

地域の課題に触れれば何か出来るという事例として、富山大学の地域づくり活動で接点があった県内事例をあげ、地域活性へ動き出している人々を紹介した。また、社会課題である人口減少となる状況を説明し今後どうするかという課題を提し、ソーシャルイノベーター・コミュニティビジネス・地域ビジネスといった新たなまちづくりとは何かを考えてくださいと話した。

1日目第3限 

ディスカッション

水循環を守り・育み×活用による魚津の活性化とは如何に

参加塾生4名から本日の講義で心に残った言葉やキーワードについてや印象的な事例、講義の感想や塾への思いなど発表。各塾生自らの体験・業務などを通した発表や意見交換をおこなった。

金岡教授は、プロジェクト立案に関し「プロジェクトづくりは難しいことではない。どこかにヒントが必ずある」とアドバイス。発表や話すことについて「自分が伝えたいキーワードを意識して話す訓練をすれば、3つぐらいのキーワードで5分ぐらいは喋れるようになる」とアドバイスした。

参加アドバイザーの濵夛一徳氏は3期入塾時の思いや勉強で同じ時間を共有できたことの意義について4期生へ向けて話した。金岡教授は、「魚津三太郎塾は1人で考えるだけの場所でなく、みんなで摺り合わせる場である」と話した。