事業レポート

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第3限目 舟橋村の現状分析A Report
2013年09月10日
舟橋村・富山大学地域づくり連携協定事業第3フェーズ・その2 平成24年度事業企画 
舟橋村職員研修

第3限目

舟橋村の現状分析

人口動態の変化を解明
人口問題プロジェクトのパースペクティブ≒検討の方向性を明らかにする!
開催日時:平成25年9月10日(火)18:00〜20:00
場所:舟橋村役場 2階会議室

平成25年度舟橋村職員研修3日目は,「舟橋村人口問題」について,調査資料に基づき舟橋村人口動態の現状分析をおこない,人口変化や推移の検証と今後の変化を推測し人口動態の変化を解明,人口問題プロジェクト解決のパースペクティブを探った。

ディスカッション

人口動態のを解明

視座:人口動態の変化(動向・推移)を解明
進行:富山大学地域連携推進機構 教授 金岡省吾

前回に続き舟橋村の現状分析として,人口動態の変化の解明を視座に研修職員各人による討論が行われ,人口問題プロジェクト解決のパースペクティブ(検討の方向性)を明らかにした。ディスカッション前に,金岡教授から前回研修の復習を兼ね,舟橋人口増の要因であった宅地開発の経緯と人口推移について再確認。前回議論された人口増,宅地開発による村の変化,人口増によるメリット・デメリットなどについての内容について振り返り「いい議論をしている」と激励した。

今回のディスカッションは,前回の宿題であった「人口動態の変化を分析し,今後どのような層がどの様に変化するかの推測」をテーマに研修職員が作成してきた様々なコーホート資料に基づき人口動態の変化を説明と分析をはかりながら議論を交わした。

舟橋村への人口転入元の分析では,近隣の滑川市・上市町・立山町と比較しても県外からの転入者は少なく,県内からの転入,富山市内からの転入が多く,次いで上市町,立山町からの転入であることや就業・通学先については平成2年と22年のデータを比較し村内率が下がり,富山市への比率が高まったことを説明。村がおこなってきた宅地造成等による人口増加政策による人口動態の変化をデータから分析,再確認と共通認識が図られた。

また,年間の自然増減・社会増減について最近1年間の月別詳細データを提示し,出生死亡・転入転出の現況を確認。自然増・社会増となっている現況の詳細や理由などを説明。さらに40歳以上の国民健康保険加入者人口のコーホートから20年後を予測したデータ財政負担率・負担額の上昇を予測し,国保の観点から将来の人口について考察した。村内の地区別の人口年代構成比資料や女性人口のコーホート分析、未就学児の人口推移,出生年齢や婚姻状況の資料も提示され,舟橋村の人口動態の現状を分析した。

シンクタンクの三菱UFJリサーチ&コンサルティング(MURC)が舟橋村の人口推移と予測をおこなったデーター分析を金岡教授が解説。コーホート要因法による人口推計の概要や流れ,推計の前提条件となる外生変数の設定方法を説明し,推計結果を発表した。

1990年代から2010年の純移動率の推移グラフからどの年代がどの時期に動いたかを明確化させ,今後の人口推計にあたってのシナリオ設定として4つのケースを想定し今後の舟橋村の人口はどの様に推移するかの推計結果グラフを示した。今後の出生率の設定や人口目標の設定,周辺開発や施策などを含め,人口動態の変化をどのように見るか人口問題プロジェクト解決のパースペクティブを探った。

金岡教授から「人口動態の変化に対応するための政策について」「舟橋村の財政状況を踏まえ今後の行政サービスはいかに展開するか」「交付税依存度の高い自治体の現状・対応状況の情報入手」「目標とすべき自治体はあるか」を考え調べてくるようにと次回までの課題がだされた。

総括

舟橋村職員研修事務局 林輝 吉田昭博

研修の3日目を終えて,林氏から「舟橋へ移住した住民の気持ちを理解することが施策のヒントになる。資料作成など職員間で連携し情報共有できていることは大変良い」とメッセージ。吉田氏からは,宅地造成地で舟橋が支持された理由をあげ,今後の課題や問題点を指摘し「宅地開発での人口増は地域つくりの観点からはマイナスの部分も表面化する。人口増の手法が目的でなく,その先にどの様に動くかが重要。協働型の概念を忘れないで欲しい」と総括をおこなった。