舟橋村・富山大学 地域づくり連携協定事業-『協働型まちづくり』を推進する、日本一小さな自治体の地域づくり

『協働型まちづくり』を推進する、日本一小さな自治体の地域づくり
平成21年度事業

舟橋村まちづくりワークショップ
第1回 オリエンテーション&ワークショップ

日時 平成22年1月23日(土)10:00〜16:00 
場所 舟橋会館 2F研修室
参加者 公募による住民有志10名

協働型まちづくりを推進している舟橋村では、次期総合計画の策定へ向けて住民の意見を反映させていく試みとして、昨年12月に開催した「ふなはしまちづくり塾」に引き続き、富山大学の協力のもと「舟橋村まちづくりワークショップ」を開催した。これは住民の中から地域課題を掘り起こし、まちづくりに関する議論を深め、問題の解決に向けてまちづくりの施策を考える場として企画された。舟橋村ではこのワークショップの開催を通じて住民の意見を頂戴し、総合計画及び各地域施策への反映を目指している。

舟橋村まちづくりワークショップ

開会挨拶

金森勝雄舟橋村長は、「村民の心の通う、求めている村づくりが基本の総合計画をつくりたい。このワークショップで忌憚の無い意見を出してもらい、それを総合計画の中で反映させていきたい」と挨拶し、これから3回に渡り開かれる舟橋村まちづくりワークショップが開会した。

オリエンテーション

富山大学地域連携推進機構 地域づくり・文化支援部門 碇谷勝研究員から、ワークショップの狙いや位置づけ、作業内容や日程など、舟橋村まちづくりワークショップの趣旨説明がおこなわた。本開催は、舟橋村が推進する協働型まちづくりの理念のもと、第4次総合計画の策定に際する、まちづくりに向けた提言を行うものである。そこで今回のワークショップの進め方では、現状の問題を特定し、問題の原因を分析し、解決策を探り、その実行計画をプロジェクトとして形成するという、問題解決型の戦略的なアプローチをとるプロジェクト・マネジメント手法の「PCM(Project Cycle Management) 手法」を取り入れることを説明。ファシリテータを務めるNPO法人PCM Tokyoのスタッフを紹介した。

話題提供1

「舟橋村の地域づくりの方針と現状について」
舟橋村総務課 吉田昭博

舟橋村の昭和62年から平成21年までの人口および世帯数の変遷とその背景となった宅地開発状況、また舟橋駅や舟橋会館および水道・ケーブルテレビ・学校・保育所など、村民生活に密着した社会資本の整備状況と現状が説明された。村の人口については、最近20年で約1400人から約3000人と急増したが、今後の宅地造成や地価動向から、大幅な伸びは期待できないこと、また平均年齢は約38歳と若いものの18歳から28歳の人口が少なく空洞化している人口構成など、村が抱える問題点もあげられた。

村民憲章やふなはしまつり等の村民協働の成功例をあげ、新しい舟橋村のコミュニティづくりに向けて、地域住民と行政が連携するまちづくりを目指し、地域住民が自ら考え、その意志を行政が尊重する協働をテーマにした総合計画を策定したいと話した。

話題提供2

「舟橋村まちづくりに関するアンケート調査の報告」
富山大学地域連携推進機構 地域づくり・文化支援部門 碇谷勝 研究員

舟橋村の次期総合計画策定に向けた予備調査として、2009年12月に富山大学が実施した住民意識調査の報告が行われた。この調査は住民のまちづくりに関する関心の所在状況を把握し、意見を収集するために実施されたものである。(1)住民の地域評価(2)住民の関心事業分野(3)地域活動への意欲、について調査・分析結果が説明された。

アンケートでは、舟橋村のプラスイメージとして「住みやすさ・自然環境・立地」があげられ、その他に「教育」「図書館」への評価が見られる反面、マイナスイメージとして「村・田舎といった閉塞感」があげられ、「商業施設」や「医療機関」といった生活環境での要望が多かったことを報告。地域づくりで特に推進する必要があると思う事業分野に、「保険・医療・福祉」「文化・教育」「商工業振興」があげられたことを報告。一方、地域活動への関心度については、必ずしも高いとは言えない結果が報告された。

ワークショップ

進行 NPO法人PCM Tokyo
理事長 大迫正弘氏、久野叔彦氏、川畑雅之氏
ワークショップ

ワークショップには富山大学の碇谷研究員も参加者に加わり、11名の参加メンバーでスタートした。ファシリテータを務める大迫氏から、PCM(Project Cycle Management) 手法によるワークショップの進め方について説明がなされた。作業は自分の考えやアイディアをカードに記入し、ボードに貼り整理・検証しながら合意に基き議論を進める方式で進められる。

まずは参加者がカードに氏名・職業・舟橋村の良いところ・悪いところ、将来増やしたいこと・減らしたいことを記入。それらがボードに貼付られ、自己紹介を兼ねて各々の想いが語られた。つづいて「テーマの設定」に向け、「住民が解決したい」問題点を列挙しカテゴリーに分類。この日の議論では、舟橋村が抱える様々な問題が挙げられる中で、現状の分析を図りながら検討が加えられ、問題の中心に「村の魅力不足」が設定された。そして、その直接原因となっている要素までを整理し、初日の作業を終えた。次回は、中心問題の直接原因を掘り下げ、「問題分析」「目的分析(解決手段の分析)」といった順で議論されることになる。

閉会挨拶

閉会にあたり、富山大学地域連携推進機構 地域づくり・文化支援部門長の伊藤裕夫教授が「住民の皆さんで発見する課題はコミュニティづくりで重要。協働のまちづくりに向けてワークショップや職員研修に富山大学が協力し、今後よりいい関係を築きたい」と挨拶。舟橋村総務課 吉田昭博氏が次回の案内をし、第一回目の舟橋村まちづくりワークショップは閉会した。