舟橋村・富山大学 地域づくり連携協定事業-『協働型まちづくり』を推進する、日本一小さな自治体の地域づくり

『協働型まちづくり』を推進する、日本一小さな自治体の地域づくり
平成19年度事業

h19年協働型まちづくり事業

舟橋村村民憲章策定支援 → 地域づくり包括連携協定締結-〜突然の職員訪問,思いを具現化するために〜 単発プロジェクト支援から組織的連携による地域づくり支援へ

富山大学と舟橋村の協働による地域づくりの取り組みは、平成19年8月、舟橋村長の命を受けた舟橋村職員の村民憲章策定に際しての富山大学への協力依頼の可能性打診に関する突然の相談訪問から始まった。この取り組みは、行政ばかりではなく、舟橋村民も取り組みの新鮮さと成果が実感できた。

そこでこのような取り組みを、舟橋村まちづくり事業の全般へと広く波及させるべく、平成19年度末に「富山大学・舟橋村における地域づくり包括連携協定」を締結し,単発プロジェクト支援から組織的連携による地域づくり支援を萌芽させた。


舟橋村村民憲章策定への支援

舟橋村は日本一小さな自治体であるが,人口増加対策が功を奏し,H17国勢調査では人口増加率が全国2位になるなど、人口・世帯数ともに大幅に増加し,新旧住民が拮抗することとなった。このため,小さい行政組織がいかに急激な人口増加に対応し,快適な生活空間創造へのまちづくりの舵取りを行うべきかとの課題を抱えていた。そこで,舟橋村が標榜する協働型まちづくり実践の契機として,住民参加型ワークショップによる「住民の声を反映した村民憲章を策定」することで,新旧住民による一体感あるまちづくりの実現を企図した。この実現に向け,富山大学へと協力要請が行われた。

富山大学は、教育・研究と同様に、地域貢献を大学のミッションと明確に位置づけた大学運営を行っているが,地域づくり・文化支援センターでは,地域づくりの最前線を支える自治体と地域の知的拠点である大学の相互連携による地域づくり活動の可能性を模索していた。そこで,上記の協力要請を受け,地域づくり・文化支援センターがプロデュース役を担いつつ、人文学部松崎一平教授、経済学部小柳津英和准教授、大学院医学薬学部研究部(医)・立瀬剛志助教の協力を得て、五福・杉谷・高岡の3キャンパスが連携した活動として左記に示すような,住民ワークショップ運営支援や憲章草稿案に対するアドバイスなどを行った。

8月下旬 富山大学への村民憲章策定への協力頼
関係者会議(策定方針) ワークショップ参加者公募
9月下旬 関係者会議(ワークショップ開催方法の検討)
10月初旬 運営会議の開催、ワークショップ事前説明会
10月中旬 舟橋村民憲章策定ワークショップ
10月下旬 舟橋村民憲章策定委員会 最終草稿案の報告
11月初旬 舟橋村議会報告、舟橋村民憲章の公表

 
住民の声
大学が参加するとのことで身構まが,今回のワークショップでの富山大学との関係は新鮮だった。産学連携としての大学存在は,学内での技術的研究のみが対象であると考えていたが,地域に積極的にでることで,学問が発展していく時代に変化しているのだと感じることができた。
役場職員の声
大学のイメージは,学内だけに閉じたイメージを持っていたが,ワークショップを通じた富山大学との連携は,大学が敷地へとでてきたと感じ,これからは村も大学の中に入り込み,連携によるまちづくりを行いたい。

舟橋村との地域づくりに関する協定の締結

平成19年2月15日舟橋村にて,舟橋村と富山大学・地域づくり・文化支援センターとの間で地域づくりに関する協定を締結した。舟橋村は日本一小さな自治体であるが,小さい行政組織がいかに急激な人口増加に対応し,快適な生活空間創造へのまちづくりの舵取りを行うのかが課題である。

本協定の締結は,舟橋村が抱えるまちづくりの諸課題の解決へ,富山大学が蓄積する知的資源を活用した支援により,本学が掲げる「地域のキャンパス化」の実践プロジェクトの1つとしての活動展開を志向している。