舟橋村・富山大学 地域づくり連携協定事業-『協働型まちづくり』を推進する、日本一小さな自治体の地域づくり

『協働型まちづくり』を推進する、日本一小さな自治体の地域づくり
平成21年度事業

舟橋村平成22年度職員研修
舟橋村職員研修会 第1日目

日時  平成22年2月6日(土)8:30〜16:30
場所  舟橋会館 2F研修室
参加者 舟橋村職員 富山大学スタッフ

舟橋村職員の 施策立案スキルの向上と「協働型まちづくり」の推進に向けた意識の再確認を目的に、富山大学の協力のもと職員研修が行われ、住民との意志疎通と交流を重視した施策案の作成を目的に3日間にわたり様々なプログラムに取組んだ。

開会挨拶と研修趣旨説明

古越副村長が村の現状と「協働型まちづくり」の推進に向け、行政職員の意識改革とその実践の重要性を話し、住民との意志疎通と交流を重視した今回の職員研修の趣旨を説明。「住民のニーズに応えられる行政を目指し3日間の研修に励んで欲しい」と挨拶した。

研修プログラム説明

富山大学地域連携推進機構 地域づくり・文化支援部門 碇谷勝研究員が、 村の「協働型まちづくり」の推進や次年度の『第4次総合計画』策定作業を踏まえた、職員の施策スキルの向上と意識確認を目的とした今回の研修で、住民との意志疎通と交流を重視した施策案の作成を目指し、「地域コミュニティ活性化に向けた、コミュニティ振興交付金制度の改善策」をテーマに、住民組織・自治会との交流型施策立案スキームの確立へ向けた3日間の研修プログラムについて説明した。

講義

「市町村における総合計画策定の課題と住民参画の重要性の高まり」
講師 富山大学経済学部 小柳津英知 准教授
小柳津英知 准教授

全国総合開発計画の歴史や概要について説明し、1998年から「参加」と「連携」という表記がされるようになり市民協働が行政で注目されはじめたと住民参画の重要性が高まっていることを話し、自治体における最上位計画となる「総合計画」の策定において住民ニーズや住民視点を反映させることが重要とし、全国の総合計画のキャッチフレーズを紹介し、住民に将来像をわかりやすく示すキャッチコピーは重要であると話した。

自治体における最上位計画となる「総合計画」の役割と重要性について講義し、 総合計画は長期ビジョンを見据える基本構想、実現の施策を定める基本計画、具体的事業として実現する実施計画の三層構造から成りたつ計画行政の基礎となる役割と目的を説明、時代ごとの問題点や策定プロセスを説明した。 近年の問題点として、住民参加が不十分でその「存在」も「内容」も知らない住民が多かったり、計画策定に重点が置かれその実施や計画評価がなされてないことや、策定を外部組織へ丸投げしたりするケースを指摘し、総合計画策定に際して、住民ニーズを直接反映させることで総合計画の意義や正当性も高まることや、住民と行政との相互理解が深まることなどから、住民が策定プロセスに参画が重要で、自治体の特色ある計画こそが重視されると話した。

話題提供1

「舟橋村まちづくりに関するアンケート調査結果について」
富山大学地域連携推進機構 地域づくり・文化支援部門長 伊藤 裕夫 教授
富山大学地域連携推進機構 地域づくり・文化支援部門長 伊藤 裕夫 教授

コミュニティを活性化させ、地域を元気にする事前準備として、2009年12月に富山大学が舟橋村総合計画策定に向けた予備調査として実施したアンケート調査の結果を報告。舟橋村について住民が抱く地域評価や関心事業分野,地域活動への関心や意欲などの項目についての調査分析結果を解説した。また、平成21年8月に開催したふなはしまつりで行ったアンケート結果も紹介した。

話題提供2

「舟橋村地域づくりの現状と課題」
舟橋村副村長 古越 邦男氏

村の概況を紹介し、人口増対策に取組んだきっかけや宅地造成開発により人口が急増するに至った経緯と現状を説明。村が取組んだ、道路、公園、上下水道の整備、会館、図書館などの施設整備やCATV・FTTHの通信整備など人口増に対するハード面での取組みを紹介し、人口増に伴う住民意識の変化から従来型行政手法の限界や自治会活動の弱体化などの現状の問題点をあげた。行政が自治会を支援する目的で制定したコミュニティ交付金についての詳細を説明し活用状況や課題をあげた。また、村の今後の人口動向と人口構造のひずみを指摘し、急速に襲う高齢化や少子化が今後の村の大きな問題となると話した。

住民交流

自治会代表者からのヒアリング
参加者 村内の各自治会代表者 村全職員
進行  富山大学 伊藤裕夫 教授

進行役の伊藤氏が、参加した自治会長の方々に今回の職員研修の主旨を説明。各自治会長からの意見や課題をもとに若手中堅職員が施策案をつくり、研修最終日に再度、自治会長さんらの前でプレゼンテーションを行う予定の協働型まちづくりへ向けた研修であることを話し、 積極的な村政への意見を求めた。

今回参加した7人の自治会長から、各自治会毎に抱えるコミュニティの問題や課題、テーマであるコミュニティ交付金制度の活用状況や意見などをヒアリングした。村政全般への課題や問題など忌憚ない意見や要望もあげられ、住民の代表者である自治会長 と村職員の意見交換がなされた。

若手中堅職員研修

ワークショップ
参加者 舟橋村若手中堅職員 13名
  進行 富山大学 伊藤裕夫 教授

若手中堅職員らは2グループに分かれ、進行役の伊藤氏からワークショップの進め方や注意点、グループ内の役割確認などのオリエンテーションを受けた後、午前中の住民交流で自治会代表者からあげられた課題を受けて「協働のまちづくり」と「地域コミュニティ活性化に向けた、コミュニティ振興交付金制度の改善策」をテーマにワークショップをおこなった。

ワークショップはグループごとに自治会代表者からの声と住民アンケートの結果を参考に地域課題の整理と分析し現状把握することからはじまり、そこから舟橋村にとって良いこと・悪いことを整理分析し、どんな問題があり何が原因なのかを討議した。協働の形を考え、コミュニティ交付金制度の問題点を洗い出し「協働」に向けての活用のあるべき方向を検討した。

次回職員研修では、協働に向けてのあるべき方向をさらに検討し、コミュニティ振興交付金制度が実効性のある制度にするために議論を深める。