講義報告

12日目 第16〜18限

日時:平成24年3月28日(水) 14:00〜17:30
場所:魚津市役所 大会議室

魚津三太郎塾の修了式を行い、塾生による事業提案、特別講義などを行った。

活動報告

担当:
魚津市企画政策課 前田久則氏

 魚津市と富山大学が連携した塾開講の目的・目標の整理からカリキュラム作成、協力・後援機関との調整、塾生の募集などの準備期間から報告した。開講して以降の各講義での個別の到達目標プロデュース、演習を通して各塾生の個別プランのサポートなど運営状況を報告した。

ポスターセッション(第16限)

担当:
塾生12名

 各塾生が事業提案をポスター1枚にまとめ、来場者の質問に答えながら、自身の提案する事業の説明を行った。

特別講義(第17限)
環境と経済の両立による地域活性化
〜コウノトリの野生復帰 丹波の森構想を通じた地域活性化への兵庫県での挑戦〜

講師:
兵庫県立大学大学院 教授 中瀬勲氏

 丹波の森構想は20年前からスタートし、地域の住民が主体となって地域活性化・地域づくりを行っている。当時の兵庫県知事の「丹波の森とウィーンの森は似ている」といった発言からスタートした。丹波の森大学は600名の卒業生がおり、卒業生が先生となって次の人材育成を行っており、ネットワークも形成している。子どもたちの環境学習にも一役買っている。暖簾を不要となった着物で作ったり、街全体での遊びが活性化に繋がっている。企業の森・里づくり事業には大手企業6社も参加している。
 但馬では、城崎温泉・海水浴場・カニなどあったがそれを繋げたシナジー効果を狙う必要があった。また、「コウノトリの野生復帰」をテーマにコウノトリを活かした地域づくりも効果を上げてきている。コウノトリは農家にとって害鳥であり、一時絶滅した。しかし、自然共生社会づくりに関心が高まり、コウノトリがそのシンボルとなった。コウノトリは多様な生物がいないと野生復帰できない鳥であり、その環境を取り戻し、維持するためには継続した費用・手間がかかる。そこでは「環境と経済の両立」の考え方が必要でありその実践を行っている。
 まちづくり・地域活性化のテーマは、他所が真似できるテーマパーク型は衰退している。真似されないためには、特殊な地域性が必要であり、その発掘(気付き)が最初に取り掛かるべき作業である。そういった意味でも魚津三太郎塾は良い取り組みであると感じる。

塾生座談会(第18限)

参加者:
魚津市長 澤ア義敬氏
富山大学長 遠藤俊郎氏
兵庫県立大学大学院 教授 中瀬勲氏
塾生12名
進行:
富山大学地域連携推進機構 教授 金岡省吾氏

 特別講義や中瀬先生に対しての質疑応答を行い、塾生全員が塾に参加した感想を一人ずつ述べた。その中では、魚津という地域の特徴に改めて気付いたことや、環境と経済の両立の意義について発言があり、これからのビジネスを目指す塾生の意気込みが感じられた。
 魚津市長、富山大学長からは今後も塾生をサポートする発言があり、その為にも活発な連携を進めていくことが確認された。

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