講義報告

9日目 第13限

日時:平成24年2月9日(木) 14:00〜18:00
場所:魚津商工会議所 4F会議室

企業が地域とどのような関係を築くことが重要で、その為にはどのような考え方が必要かについて講義を受け、理想的な企業活動について考える機会となった。

講義(第13限)
コミュニティビジネス育成起業化論(企業と地域の関係)
大手ものづくり企業による環境と経済の両立
「変化する環境の中で生き残るためには〜地域と共に〜」

講師:
元YKK代表取締役副会長 北野芳則氏

 北野氏は現在、富山大学次世代スーパーエンジニア養成コースに参画されている。これは、日々変化する環境下で試行錯誤しながら創り上げてきた連続的イノベーションこそが、日本企業の競争的優位を支える基盤との考えのもと、先端技術の専門性を有する大学教員のみならず、ビジネスの実状に詳しい企業技術者を加えた「地域総がかり」を基本コンセプトとした企業中核人材養成コースで、ベテラン技術者による企業間の壁を越えた地域技術の集大成を進めつつも、先端研究に携わる大学研究者の基盤科学技術を有機的に結合することで、「産業界で必要とされる幅広い知識」と「専門分野の深み」を学ぶものである。このような人材育成が必要とされているのは、企業や地域が生き残っていくためで、脈々と受け継がれてきた伝統技術と、それに対する姿勢を次世代が体現することが必要との考えからである。また、時代が変化しても生き残っていく企業は、縦割りでなくチームとして動き、創造力・構想力を重要視している。
 自然と共存しているのは、住民だけでなく企業も然りであり、地域の自然を考慮しない企業に未来はない。YKKは工場を将来、森に戻す計画(パーク化)を実施しており、それほど自然を意識する必要がある。地下水はタダではなく自然の恩恵を受けているのであり、できるだけ自然に負荷をかけない企業活動を心がけるべきである。
 また、企業は地域の住民に愛されないと継続が難しく、企業は儲けることによって初めて地域の存在になることができ、地域の雇用を守ることも企業の責務である。

討議

 自然との共存は自然の動きを知ることが重要である。住民のまちを良くしたいという考えが重要であり、それによって地域に価値が生まれる。地下水の使用量抑制にはコストが掛かるかもしれないが、それによって得られるメリットも享受することができる。
 YKKは国内海外を問わずどこの地域に進出してもNO.1の工場になることを目指している。その為には地域で雇用を守り、生活を支え、その子どもを育てる。それによって地域からの信頼が生まれる。その為には企業が儲けることが必要で、儲けはその地域に投入する精神が重要である。
 この塾に参加でき、良いチャンスをもらった塾生に期待している。

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