舟橋村との連携事業でひとつの目標とされたのは、住民参加の礎となる住民主体の活動組織を育成することである。住民により自律的に運営され、地域に根差した活動を行政と協働していける組織である。近年の地方分権、地域主権の流れにおいても、地域に果たす住民の役割は重要性を増すばかりだが、人口の少ない舟橋村では住民ひとりひとりが持つ意味は大きい。
「協働型まちづくり」の推進には、住民の理解とまちづくりへの参加意識を醸成することは欠かせないが、個で終わるのではなく、住民行動の核となる牽引組織が生まれてこない限り、「協働」を形にしていくことは困難である。行政と住民の「協働」と同時に、住民同士の「協働」もまた求められる。 本事業では、住民の意識啓発から実践活動への誘導、組織づくりに向けた試みにより、住民が主体的プレイヤーとなって地域を担っていく社会の有り様を模索し、これを通じて地域の活性化を目指している。
なお、取り組むにあたっては、年度毎に地域課題となるテーマを取り上げ、そのテーマに取り組む住民組織を個別に育成することを優先し、その後の活動領域の拡がりをみながら統一的組織を検討する、という舟橋村側の考え方に従い進めることとなった。
本事業では、住民組織の育成にあたり、「意識啓発」「行動への移行」「持続的活動への育成」「自立的活動への育成」と大きく4段階のステップによる仮説を立て、組織育成を目指している。
具体的には下図のステップを基本スキームとして展開している。また、住民を対象とした事業ではあるが、“協働”の一方の担い手である行政職員を対象とした展開も“住民との交流”をポイントに置き随時実施している。