地域産業資料室木材キャビネット

このキャビネットは，デンマークのヤコブ・ケアーにより，１９５０年頃にデザインされ，１９６２年，彼の工場で製作されたものである。

父親から家具職人としての教育を受け，ベルリン，パリにおいて，さらに家具職人の技術修得，研鑽を積み，コペンハーゲンで家具工場を営み，多くの家具を製作した。

そのデザインは職人らしく，材料と技術を知り尽くした上で出てくる形と細部の丁寧な納まりに特徴があるといえる。

作品は棚と抽斗の部からなり，各種の収納を考慮し，脚部は上部の重量感に対して比較的細かく，全体に繊細な感じを与える。

樹種は西インド・中南米に産するマホガニーを，抽斗の部分はオーク材を用いている。