
アルネ・ヤコブセンは、デンマークの建築家でありデザイナーである。
建築と共に椅子や洋食器のデザインも行い、現代デンマーク・デザインの世界的な評価を確立した。
エッグ・チェアは彼の代表作で、北欧名作椅子の1つとして知られている。
コペンハーゲンのSAS(スカンジナビア航空)ホテル・ロイヤル(1960)の設計に際して、エッグ・チェアで見せた、的確に計測したなめらかな線は、他の追従を許さない彼独特のものと言えるだろう。
彼の活躍した時期は、球形のデザインを実現する硬質発砲ウレタンや、三次曲面に合板を曲げる技術が開発された時期と重なる。
彼の造形力を生かすには、これらの新技術が不可欠だったのであろう。
エッグ・チェアの上部両端の出っ張りは、周囲の音を遮断し、使用者は球形のシェルに包み込まれ、精神的にも非常に落ち着く椅子である。
